京都カグヤライズ4戦目の相手は、木下アビエル神奈川。今シーズンに新たに平野 美宇選手、長﨑 美柚選手が加入し勢いに乗るチームです。他にも全日本選手権優勝経験がある石川 佳純選手や2023年、今年の全日本選手権準優勝の木原 美悠選手がいるなか、どんな戦いになるのか目が離せません。
2022年9月24日 ベンチ入りメンバー
- 松島 美空 選手
- ドゥ ホイカン 選手
- ウェイ ウェンション 選手
- 田村 美佳 選手
- ファン ユーウェン 選手
今試合では9月23日のベンチ入りメンバーと同じ構成になりました。昨日の試合経験を生かして各選手がどんなパフォーマンスを見せてくれるのでしょうか。
第1マッチ:ウェイ ウェンション・ファン ユーウェン vs 長﨑 美柚・張本 美和
両ダブルス右左シェークドライブ型の対戦です。ウェイ選手は右利きで、ファン選手は左利き。対し、長﨑選手が左利きで、張本選手が右利きです。両ペアとも右左のペアなので、右右や左左のペアより断然動きやすく、立ち回りが見どころになりそうです。
第1ゲーム ファン選手の攻撃的な台上プレー
若干浮き気味の張本選手のサービスから始まり、ウェイ選手がレシーブエースを取ります。両ペアとも、丁寧な台上プレーで点数を積み重ねていきます。ファン選手が積極的にチキータやフリックで先手を取り、ラリー戦をものにする形で、11-8で第1ゲームを奪取します。
第2ゲーム 激しいラリー戦を展開する!
このゲームを取れば、カグヤライズペアの勝利です。しかし、一筋縄ではいきません。長﨑選手と張本選手の緊張が解けたのか、積極的に打ち込んでくるようになります。序盤、長﨑選手がチキータで先手を取り、張本選手が連打で得点するという展開でカグヤライズペアを突き放します。ウェイ選手とファン選手もただやられるだけではありません。じわじわと追いつき、ついに8-8と同点になります。ここで木下アビエル神奈川がタイムアウト。流れを変えられ、9-11で落とします。
ファイナルゲーム 競りながら進むゲーム
Tリーグのルールでは、ファイナルゲームは6-6からスタートします。大切な1点目は、長﨑選手に取られてしまいます。6-7の張本選手のサービストスが滑ったのか、上げた瞬間に台の方にボールが転がりミスとなります。あまり見られないミスなので会場も少しざわつきますが、張本選手はすぐに切り替えて集中します。
その後、ファン選手のサービスから長﨑選手に強烈なチキータを2点重ねられ、カグヤライズ側がタイムアウトを取ります。そこから追いつき9-9になるも、相手ペアの緩急を避けるプレーでカグヤライズペアが動きづらい展開に。9-11で落とし、ゲームカウント1-2で敗戦となりました。
惜しくも敗れてしまいましたが、昨日の試合よりも立ち回りや戦術などペアリングが良くなっていました。練習を積み重ねれば、必ず勝てると思われた一戦でした。
第2マッチ:ドゥ ホイカン vs 木原 美悠
右シェークドライブ型の回転量のある両ハンドで押していくドゥ選手に対して、右シェーク異質攻撃型の多彩なサービスから鋭いフォアハンドとバック側の表ソフトで得点していく木原選手。同じ戦型に昨日敗れているドゥ選手はどのような戦術をたてるのか注目です。
第1ゲーム 両者、特長を生かしたプレーで応戦!
まずは木原選手のサービスでスタートします。巻き込みサービスの構えからアップダウンサービスに変えて出すなど、木原選手のサービスの複雑さが目立ちますが、ドゥ選手は綺麗に対応して序盤から競っていきます。10-10になり、ドゥ選手がバックハンドでコースを散らしながら、最後はフォアミドルへ送り木原選手のミスを誘ってゲームポイントを獲得。11-10で第1ゲームを手にします。
第2ゲーム サービスの種類を変えられ、苦しむ
またも序盤から競る展開となりますが、中盤あたりに差し掛かると木原選手がバックの表ソフトの変化を使い分けながらコースを散らしていき、展開が変わります。ドゥ選手はミスを誘われ、点を取られてしまいます。その後も巻き込みサービスのモーションから順横系のロングサービスなどサービスの種類を変えて攻められ、ドゥ選手は対応しきれず、8-11で第2ゲームを落とします。
第3ゲーム ラバーの特性を活かしたプレー!
序盤では、ドゥ選手がフォアに貼っている中国系ラバー特有の変化を活かしたドライブで点差をつけていき、木原選手は少し首をかしげます。その後は木原選手も慣れてきたのか、お互いレシーブで得点していき8-8に。木原選手はこれまでに勝負どころで効いていたアップ系のサービスを出しサービスエースを取ります。その勢いのまま、第3ゲームは8-11で木原選手に取られてしまいます。
第4ゲーム 木原選手のサービスに苦戦
木原選手のサービスに対して回転が読みづらいのか、ドゥ選手は球を置きに行くことしかできない様子です。そこを3球目で狙われ、あっという間に4点差がつき厳しい展開となります。それでも飽くまで冷静なドゥ選手、サービスの回転を利用して逆に逃がすなどレシーブを工夫し、じわじわと追いついていきます。6-10で木原選手にマッチポイントを握られるもそこから3点追いつき、9-10に。しかし最後はポイントを取られ、9-11でゲームセットとなりました。ゲームカウント1-3で敗戦となりました。
ラリー戦では互角でしたが、サービスの引き出しの多さと細かな戦術の取り方で木原選手に軍配が上がったという試合内容でした。
第3マッチ:ウェイ ウェンション vs 長﨑 美柚
両選手ともに、シェークドライブ型の対戦です。第1マッチのダブルスで対戦している選手同士で、その試合ではウェイ選手が長﨑選手のチキータに少し苦戦しているように見えました。今回はどのような対策を練って試合を進めるのでしょうか。
第1ゲーム ロングサービスからの組み立て
初手からロングサービスを2本出し得点する長﨑選手。その後も長﨑選手に連続得点を許し、0-6と大きく引き離されてしまいます。さらに淡々と点数を積み重ねていく長﨑選手に、ウェイ選手はなかなか反撃の機会を見つけられません。自身の得意なパターンに持っていきたいところですが、それをうまく封じられます。長﨑選手の変化をつけたプレーに押され、3-11で第1ゲームを落とします。
第2ゲーム なかなか思うようにプレーできず
第2ゲームになっても、ウェイ選手はなかなか自身の攻めに転じることができません。第1ゲームに引き続き長﨑選手のサービスに攻撃を封じられ、思うようにプレーできず6点差と大きく引き離されます。サービスをバックサービスにするも得点を重ねられず、3-11で第2ゲームを落とします。
第3ゲーム 粘りたいところであったが
後がないこのゲーム。ウェイ選手は今までの流れを変えるべく、台上のストップ技術で短く置きにいき、長﨑選手のミスを誘って点を重ねます。しかし、中盤からウェイ選手の打つタイミングが合わず、空振りする場面が増えて点差をつけられてしまいます。ここでも我慢して、しっかり粘って、なんとかゲームを取りたいところでしたが、最後は6-11で第3ゲームを落とし、ゲームカウント0-3で敗れました。
なかなか思うように得意なプレーができず、ウェイ選手にとっては苦しんだゲームとなりました。特に、長﨑選手の長さがわかりづらいサービスによって攻撃を封じられたと思われます。
第4マッチ:田村 美佳 vs 平野 美宇
両選手ともに、シェークドライブ型の対戦となりました。同じ戦型で、似たような速い展開のラリーをする両選手。果たしてどのような戦術でゲームを進めていくのか、注目したいと思います。
第1ゲーム スピードのあるバックドライブに苦戦!
スピードのあるバック対バックのラリーでは、両者互角の様子に見えます。ゲームが進むにつれ、サービスレシーブや緩急をつけたプレーなど、細かな部分で田村選手が失点し、点差をつけられていきます。どうにかバックのラリーに持ち込みたいところでしたが、トップクラスの選手が繰り出す回転量のあるドライブを抑えられず、1-11で落とします。
第2ゲーム サービスの変化で流れをつかみたい
田村選手は負けじと、サービスに変化をつけて出していきます。しかし長いサービスだとドライブで打ち抜かれ、短いサービスを出すと速いチキータや回転を重視したチキータで得点されるという、なす術がない状況に置かれ戸惑います。それでも諦めない田村選手、得意なミートに持っていきたいところでしたが、1-11で第2ゲームを落とします。
第3ゲーム 中陣での打ち合いを展開!
後がない田村選手は、平野選手の連打に果敢に食らいついていきます。お互いが回転を駆使し打ち合うラリーもありましたが、平野選手に想像を超える一本を返球され、田村選手はミスをしてしまいます。その後、折れない田村選手が平野選手のサービスに更に回転をかけてツッツキをし、相手のミスを誘って得点!しかし、最後は平野選手の回転量のあるドライブで抑え込めず6-11で落とし、ゲームカウント0-3で敗戦となりました。
Tリーグでは2回目の出場となった田村選手。相手が平野選手と、実力差のある対戦となりましたが、自ら食らいついていく姿、強気で攻めていく姿が輝いていました。
2022年9月24日、京都カグヤライズ vs 木下アビエル神奈川は木下アビエル神奈川に軍配が上がる!
新勢力が加わった木下アビエル神奈川に挑戦する試合でした。
ダブルスは敗北したものの、前の試合までと比べてペアリングが良くなり、惜しいところまで食らいつく試合に。シングルスは経験と実力の差が顕著に出る、プロの世界の厳しさを思い知る試合となりました。
しかし、どの試合も見ごたえがありチームとしての進歩が感じられる内容でした。木下アビエル神奈川とは約1か月後に再戦するので、分析を活かしてリベンジを果たしたいと思います!