京都カグヤライズ vs 日本ペイントマレッツ 池田市五月山体育館 ノジマTリーグ 2023-2024

京都カグヤライズ 2023-2024シーズン 6戦目の相手は、今シーズン初対戦となる日本ペイントマレッツです。昨シーズンの対戦成績は0勝4敗で、カグヤライズが唯一勝利できていないチームです。今日の試合で初勝利を掴みに行きます。

2023年11月3日 ベンチ入りメンバー

  • 成本 綾海 選手
  • 牧野 里奈選手
  • 枝廣 愛 選手
  • 工藤 夢 選手

全日本社会人選手権も終了し、成本選手が合流しました。このベンチ入りメンバーで、どのペアのダブルスが起用されるかが注目ポイントとなります。

▼用語解説
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第1マッチ:成本 綾海・工藤 夢 vs 芝田 沙希・大藤 沙月

カグヤライズペアは、成本選手と工藤選手のペアが起用されました。8月30日の日本生命レッドエルフ戦では、初めて組んだとは思えない素晴らしいペアリングで勝利してくれたペアです。

成本選手は左シェーク異質攻撃型、工藤選手は右シェークドライブ型です。芝田選手と大藤選手は右シェークドライブ型です。

カグヤライズペアは右左ペアの動きやすさを活かして、点を取りに行きます。

第1ゲーム 激しいラリー戦

カグヤライズペアは成本選手の変化を使いながら、マレッツペアを揺さぶりにかけミスを誘う展開にしていきます。対するマレッツペアは両ハンドを活かして、どのコースを攻められてもフットワークで対応します。両ペアのいいところが出ながらの競り合いとなり、9-9になると工藤選手のサービス2本の展開で連取しました。結果、第1ゲームを11-9で先取します。

第2ゲーム テンポの速いラリー

第2ゲームの序盤から流れが変わり、マレッツペアが攻め込んできます。カグヤライズペアはマレッツペアの打点の早いカウンターに押され、合わせることしかできず攻撃する展開を作れません。カグヤライズペアはタイミングの速さよりコースをついて得点を重ねたいところですが、この展開を封じられ、第2ゲームを5-11で落とします。

ファイナルゲーム サービスからの展開が重要に

Tリーグでは6-6から始まるファイナルゲーム。第1、第2ゲームまでは巻き込みサービスを中心に出していた芝田選手がシンプルな縦回転サービスに変えてきます。サービスを変えられたことでレシーブが乱され、カグヤライズペアは2点リードを許してしまいます。その後もマレッツペアに連続得点をされ6-10になりました。カグヤライズペアはそこから2点取り返し粘るも、最後は甘くなったレシーブを狙われ、8-11で落とします。結果、ゲームカウント1-2で敗戦となりました。

組むのは2度目となった成本選手と工藤選手のペアは、惜しくも敗戦という結果に終わりました。敗れたものの、成本選手の変化と工藤選手のカウンターがかみ合えば、他チームの強豪ペアといい勝負ができることを試合で見せてくれました。

第2マッチ:枝廣 愛 vs 大藤 沙月

枝廣選手は昨シーズンにダブルスで大藤選手と1度対戦していますが、シングルスでは初対戦となります。枝廣選手と大藤選手は右シェークドライブ型です。

サービスからの展開に強い大藤選手をどのように攻略するかが見どころです。

第1ゲーム 前陣での速い打撃戦

両選手はシングルスで初対戦ということもあり、相手のサービスを取り慣れていません。そのため、お互いにサービスエースを取り合う形になり、ラリー戦へと展開していきます。両選手は共に前陣での速いラリーで勝負するプレースタイルのため、巧みにコースをついて点を取るパターンが多くなります。

お互い譲らずといったラリー戦が続き、ついに10-10になりました。一本勝負は大藤選手にサービスが渡り、カグヤライズ側に緊張感が走ります。しかし、この緊迫した場面でも枝廣選手は冷静です。チキータで攻め、見事レシーブエースを取りました!その結果、第1ゲームを11-10で先取します。第1ゲームは11-10で先取します。

第2ゲーム ラリー戦での緩急

両選手は第2ゲームでもサービスエースを取り合いながら、バック対バックの速いラリー戦を進めます。枝廣選手は速いラリー展開の中でも時折緩急を混ぜながらプレーし、中盤では2点リードを保ちます。この流れのまま進むと思われましたが、後陣で粘る大藤選手に追いつかれ9-9になり、その後の大藤選手自身のサービスからの展開で2本許してしまいました。第2ゲームは9-11で落とします。

第3ゲーム 攻撃的な姿勢が重要に

1-1になって迎えた第3ゲームは、両選手にとってどうしても取りたいゲームになります。この第3ゲームで如何に強気で攻められるかが重要になってきます。

枝廣選手は、バック対バックの速いラリー戦に持ち込む戦術の組み立て方で試合を進めますが、大藤選手が枝廣選手のボールに対して腕を振り切って攻めてくるようになります。コンパクトに打つより振り切った方が威力が出るので、枝廣選手はこの威力のあるボールに押され、第3ゲームを8-11で落とします。

第4ゲーム 枝廣選手の修正能力の高さ

枝廣選手は大藤選手にミドルを攻め込まれ、ミドル処理ができず2点差が開きます。試合が進んでいく中で、枝廣選手は大藤選手にミドルを攻め込まれていることに気づきはじめ、ミドル処理を修正して、ラリー戦を得点源としていきます。この第4ゲームでも大きく点差がつくことはなく接戦が続き、10-10になりました。一本勝負のサービス所有権は枝廣選手で、サービスからの展開で得点できると思われましたが、三球目攻撃でオーバーミスをしてしまい第4ゲームは10-11でした。結果ゲームカウント1-3で敗戦となりました。

接戦が続いた第2マッチでした。厳しいコース取りのラリー戦やスピード感のあるラリー戦が多く、非常にハイレベルな1試合となりました。

第3マッチ:成本 綾海 vs 横井 咲桜

Tリーグで対戦するのは2度目となります。2022年のTリーグ個人戦の際に成本選手が4-2で勝利を収めています。成本選手は左シェーク異質攻撃型、横井選手は右シェークドライブ型です。

サービスが巧い成本選手とラリーに強い横井選手の試合は、互いの良さが全面に出る試合内容になりそうです。

第1ゲーム ラリー回数の多い打撃戦

序盤からラリー戦になり、打ち合う展開が作られていきます。成本選手は台の近くから速攻で仕掛け、横井選手は少し台から距離を取って打つパターンが多く見られました。成本選手のプレーでは、横井選手のフォア側を攻めるなどのコース取りの徹底が見られます。しかし台上での繋ぎやラリー戦でのしぶとさという点で、横井選手の有利な状況になり、第1ゲームを7-11で落とします。

第2ゲーム 冷静な成本選手

第1ゲームの流れのまま第2ゲームへと繋がります。両選手はサービスのコースや回転の種類を毎回変え、相手に読ませないように工夫している様子が見受けられます。サービスからの展開で横井選手の威力のあるボールに押され気味になり、5-10で先にゲームポイントを握られました。成本選手は先にゲームポイントを握られても冷静で、早いバックハンドやミドルへの攻撃、回転量を調整したサービスエースで追いつき、一本勝負へと続きます。

一本勝負では成本選手が厳しいコース取りで得点し、6連続得点となりました。第2ゲームを11-10の逆転で取り返します。

第3ゲーム 多彩な変化をつけたラリー

これまでのゲームでは、ラリー展開になると横井選手が有利な流れでしたが、試合が進むにつれて成本選手も横井選手のラリーについていくようになります。成本選手は、フォアをついたレシーブエースをはじめ、サイドスピンブロックを混ぜた変化のあるラリーなどの巧みな技で得点を重ねます。そこに横井選手のミスもあり、成本選手が第3ゲームを11-8で取ります。

第4ゲーム コース取りの重要性

2ゲームを取った成本選手はこのまま逃げ切りたいところです。成本選手は第3ゲームのようにバックでの変化をつけてラリー戦をものにしていきます。一方の横井選手はラリー戦でストレート攻撃を多用し、バック側に構えている成本選手のミスを誘ってきます。終盤にかけて成本選手のバックハンドのミスが続いてしまい、第4ゲームを9-11で落としました。勝負の行方はファイナルゲームへと続きます。

ファイナルゲーム 強気に攻められるか

この短期決戦でもラリー戦が続きます。7-7から横井選手のサービスミスと打ちミスがあり、成本選手は2点リードを取りました。この重要な場面で思い切りのいい攻めができるかどうかで流れが動きます。成本選手はミドルへの三球目攻撃を仕掛け、体制をすぐ立て直して3球目もしっかりレシーブし得点します。その後は1本返されるも、横井選手のサービスに対してレシーブエースをし、11-8でファイナルゲームを取りました。結果、ゲームカウント3-2で勝利となりました。

Tリーグでの二度目の勝負も成本選手が勝利しました。第1ゲームから両者遠慮のない打撃戦で始まり、その後もスピード感のある打ち合いや厳しいコース取りでの攻防で、まさにトップレベルと言える試合になりました。会場では観客の拍手が鳴り響き、大いに盛り上がりました。

第4マッチ:牧野 里菜 vs 橋本 帆乃香

Tリーグでのシングルス初エントリーの牧野選手が登場です。牧野選手は右シェークドライブ型、橋本選手は右シェークカット型です。国内トップのカットマンの橋本選手に対して、どのような戦術でカット攻略をしていくのか注目です。

第1ゲーム 安定感のあるプレー

牧野選手は橋本選手のカットに対して強打はせず、しっかり回転をかけて繋いでいきます。橋本選手はフォア側に粘着ラバー、バック側に粒を貼っているため回転量の差が激しく、牧野選手がネットに落とす場面や浮かせてしまう場面が多々あります。牧野選手は粘りを見せたものの、第1ゲームを5-11で落とします。

第2ゲーム 強打を増やしていく

第2ゲームでも橋本選手の変化幅の大きいカットに苦戦します。牧野選手は第1ゲームより強打を増やし、橋本選手のカウンターを防ぐプレーが多く見られますが、一本でも甘いボールを送ってしまうと橋本選手が踏み込んで打ってきます。カット打ちのミスが続き、第2ゲームを2-11で落とします。

第3ゲーム 粘りのあるプレー

両選手の戦術は大きく変わらず試合が進みます。2ゲームを先取した橋本選手がアグレッシブなプレーで多彩な攻撃を仕掛けてきますが、牧野選手は冷静に対処し、接戦になっていきます。牧野選手はツッツキと強打のドライブを駆使し、下回転と上回転の球質の差で攻めるようなラリーを展開します。狙いどおり相手のカットする体勢が崩れたところでコースを変えて決める、という展開で10-10まで追いつきました。

一本勝負はレシーブが浮いてしまったものの、橋本選手の攻撃ミスになり、牧野選手が第3ゲームを11-10で取り返します。

第4ゲーム カット攻略が重要なポイント

第3ゲームのように、カットマンの攻撃ミスが出始めるとチャンスが見えてきます。牧野選手は橋本選手のカットに食らいつき、強打で得点します。しかしながらカットを徹底し始めた橋本選手に主導権を握られ、なかなか得点を重ねることができません。最後は橋本選手らしい高いロビングからのカウンターで得点され、牧野選手は第4ゲームを4-11で落としました。結果、ゲームカウント1-3で敗戦となりました。

牧野選手のシングルスデビュー戦は初勝利とはなりませんでした。しかし国内トップで戦う橋本選手から1ゲーム奪うという大健闘を見せてくれました。今日の試合は、牧野選手自身とカグヤライズの進化にとって、必ずよい糧となるはずです。

2023年11月3日、京都カグヤライズ vs 日本ペイントマレッツは日本ペイントマレッツに軍配が上がる!

今シーズン初対戦となる日本ペイントマレッツとの試合でした。今回の試合も、昨シーズンで見られたように接戦が多く繰り広げられ、緊迫感のある1日となりました。各対戦の内容を見てもチームや選手たちの成長が随所にあり、あと少しで勝利を掴めるはずだと思えました。各試合、プレー内容が悪くなく、選手達自身の成長が感じられます。この経験を活かしながら、次こそ初勝利を掴むぞ!という思いで、チーム一同戦っていきます。

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ライタープロフィール

記事を書いた人

清水 大暉

京都カグヤライズインターン生。 
中1から卓球を始める。高3で区切りをつけようとしたが、コロナウイルスの影響で学生生活最後の大会が中止に。そこで悔いが残り、卓球の道に進もうと決意。今では趣味で卓球を続け、国際試合や海外リーグの試合をよく観ている。
好きな選手は丹羽選手・酒井選手・モーレゴード選手・ティモボル選手などなど。