京都カグヤライズ vs 木下アビエル神奈川 三条市体育文化会館 ノジマTリーグ 2023-2024

新年が明け、今シーズンの試合もついに残すところ7試合です。京都カグヤライズは、昨年からいくつもの接戦を繰り広げてきました。

本試合は2024年最初の試合です。前回の試合で敗戦した悔しい気持ちを心機一転して試合に臨みます。

京都カグヤライズ 2023-2024シーズン 13戦目の相手は、今シーズンで4度目の対戦となる木下アビエル神奈川です。前回の対戦では、ビクトリーマッチにもつれ込む大接戦となり、惜しくも2-3で敗戦となっています。新年明けての最初の試合ということでチームに気合いが入ります。

2024年1月8日 ベンチ入りメンバー

  • 牧野 里菜 選手
  • 出雲 美空 選手
  • 枝廣 愛 選手
  • 工藤 夢 選手

カグヤライズからは4名の選手がベンチ入りとなりました。対する木下アビエル神奈川は長﨑選手がいないもののベストメンバーを揃えてきました。木下アビエル神奈川はリーグ首位を維持するため、今試合もベストメンバーを揃えてきたようです。カグヤライズは1本でも多く返球し、立ち向かいたいと思います。

▼用語解説
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第1マッチ:枝廣 愛・工藤 夢 vs ホー ジュオジア・張本 美和

カグヤライズペアは、枝廣選手と工藤選手の中央大学ペアが起用されました。枝廣選手・工藤選手ペアの成績は2勝4敗となっていて、4敗中3敗はアビエルペアとの対戦です。毎試合ペアリングを変えてくるアビエルペアに苦戦しているカグヤライズペアですが、今試合で接戦に持ち込みたいところです。

枝廣選手・工藤選手は右シェークドライブ型、ホー選手は右シェーク異質攻撃型、張本選手は右シェークドライブ型です。

第1ゲーム アビエルペアの攻撃時のミスの少なさが際立つ

アビエルペアのホー選手・張本選手は、今試合で初めてのペアリングです。初めてペアを組む場合、慎重にプレーすることが多いですが、ホー選手・張本選手は序盤から両ハンドを振り攻撃的な展開に持ち込んできます。カグヤライズペアは先手をアビエルペアに許し、アビエルペアの流れで試合が進んでしまいます。ラリーでは互角の展開になるも、攻撃時の決定力でアビエルペアが上回り、カグヤライズペアは失点が増えます。第1ゲームを7-11で落とします。

第2ゲーム カグヤライズペアは緩急を使うが……

第1ゲームのラリーでは互角の内容で進んでいましたが、第2ゲームでは苦しくなります。ラリーのスピードが一段階上がり、突き刺すようなアビエルペアの攻撃にカグヤライズペアは防戦一方となってしまいます。速いラリーだけでは厳しいと考えたカグヤライズペアは、速いボールに加えて緩いボールを使って緩急を作り、アビエルペアの攻撃的な展開を封じます。中盤にじわじわと追いつく場面が見られますが、終盤で工藤選手の繋ぎのミスが連続して起こってしまい点数を取られてしまいます。第2ゲームを7-11で落とし、ゲームカウント0-2で敗戦となりました。

ホー選手・張本選手の質の高い台上技術やラリーでのコース取りに苦しんだ内容になりました。カグヤライズペアもラリーで食らいつきましたが、世界で活躍するトップ選手の安定した技術が際立った試合でした。

第2マッチ:出雲 美空 vs 張本 美和

Tリーグでは初対戦の出雲選手と張本選手です。出雲選手は左シェーク異質攻撃型、張本選手は右シェークドライブ型です。Tリーグ以外での前回の対戦は、2022年の全日本選手権で、その時は出雲選手が3-1で勝利しています。約2年ぶりの対戦はどのような試合になるのか注目の一戦です。

第1ゲーム 張本選手のミスのない両ハンド

出雲選手は裏面の変化表を使いながらフォアでミート打ちをして得点します。一方の張本選手はていねいな両ハンドドライブでコースをついて得点します。序盤から張本選手は出雲選手の変化をものともせずに、威力のある両ハンドを仕掛けます。出雲選手はこの張本選手の両ハンドに終始押され、第1ゲームを3-11で落とします。

第2ゲーム 出雲選手は戦術を変えて攻める

第1ゲームで変化が効かないことを知った出雲選手は、第2ゲームでのバックハンドをミート重視の打法に変更します。ミート打ちに時折変化も混ぜながらプレーしますが、張本選手は出雲選手のプレーを苦にしていない様子です。ラリー戦になると、張本選手の高い対応能力でドライブを決められてしまいます。出雲選手は第2ゲームを5-11で落とします。

第3ゲーム サービスの種類やコースを変える両選手

両選手は順回転のサービスと逆回転のサービスを使い分け、ラリー戦に持ち込みます。出雲選手としては、ラリー戦になる前に点を取るか、張本選手を台から下げさせてミスを誘うプレーで得点したいところです。お互いのサービスの配球がよく、両選手はサービスからの展開で点数を重ねます。しかし、出雲選手の方でミスが多くなってしまい、点差がついてしまいます。出雲選手は張本選手の流れを止めることができず、第3ゲームを4-11で落とします。結果、ゲームカウント0-3で敗戦となりました。

出雲選手は変化とミート打ちを主軸としたプレーで善戦しましたが、悔しい敗戦に終わりました。出雲選手はサービスの配球を工夫して、張本選手にいいチキータを打たせない戦術が多く見られました。

第3マッチ:牧野 里菜 vs 平野 美宇

牧野選手と平野選手はいずれも右シェークドライブ型です。

プレースタイルが似ている選手同士の対戦になりました。牧野選手と平野選手はいずれも右シェークドライブ型で、バックハンドの技術が長けており、両ハンドを駆使したラリー戦が得意な選手です。今対戦は両ハンドでの打ち合うプレーが多く見られそうです。

第1ゲーム 両選手の質の高いバックハンド

やはり序盤からバック対バックの速いラリーが展開されます。両選手の得点源はチキータとカウンターになっており、速いペースで試合が進んでいきます。中盤までは牧野選手にとっていい流れが続いていましたが、終盤にかけて、平野選手が体の捻りを使ってコースを読み取らせない攻撃を仕掛けてきます。その攻撃に牧野選手は対応しきれず、ノータッチでの失点を強いられてしまいます。さらに、平野選手に攻撃での先手を取られ、牧野選手は第1ゲームを7-11で落とします。

第2ゲーム 現代卓球とも言われる高速ラリーが炸裂

第1ゲームで先手を多く取られてしまった牧野選手は、第2ゲームから積極的にドライブやチキータで仕掛けるプレーで善戦します。また平野選手の高速ラリーにも追いつき、激しいラリー戦を展開します。しかし終盤に自身の仕掛けたボールがネットを越えない場面や甘くなったレシーブを平野選手に狙われる場面があり、流れが途切れてしまいます。牧野選手は挽回することができず、第2ゲームを6-11で落とします。

第3ゲーム 緩急を使い、ラリー戦の主導権を握る牧野選手

平野選手の精度の高いチキータとカウンターによって得点を取られ、牧野選手はなかなか流れを掴めません。ラリーでの速さは互角の内容ですが、サービスレシーブで決めにいくときのチキータや三球目攻撃でのドライブのスピードで平野選手の方が上回っています。牧野選手は平野選手の威力のある攻撃に押され、ラリー戦に持ち込めません。牧野選手の見事な台上フリックなどもありましたが、第4ゲームを7-11で落とします。結果、ゲームカウント0-3で敗戦となりました。

ラリー戦では、ほぼ互角の内容で両選手が競り合っていました。しかし、1つ1つの技術の精度で平野選手の方が上回り、試合の流れを掴んでいた内容になりました。

第4マッチ:枝廣 愛 vs 木原 美悠

枝廣選手は右シェークドライブ型、木原選手は右シェーク異質攻撃型です。

今試合で2点起用となった枝廣選手の登場です。Tリーグ以外の試合でもダブルス/シングルスで2回起用されることを2点起用と言われます。相手は多彩なサービスから速攻を狙う木原選手です。両選手はサービスが巧い選手なので、サービスからの展開が得点源になると予想されます。

第1ゲーム 多彩なサービスからの見ごたえのあるラリー戦

枝廣選手は巻き込みサービスからバック対バックのラリーに持ち込み、緩急を使って木原選手の速いミート打ちを封じます。木原選手はバック対バックのラリーはもちろん、様々なコースへ仕掛けるプレーで得点を重ねます。7-7までは接戦が続きますが、7-8の長いラリーで木原選手がポイントを取ったことにより、木原選手に流れが傾いてしまいます。枝廣選手は先手を打とうとするも攻撃のミスが続き、第1ゲームを8-11で落とします。

第2ゲーム さまざまなコース取りで得点する両選手

枝廣選手は逆チキータやフェイントといった台上での技術で先手を打ち、ラリー戦を有利に進めようとします。両選手はバック対バックのラリーだけではなく、さまざまなコース取りで相手の体勢を崩そうとします。ミドルを攻めてからバック側を攻めるコース、フォアを攻めてからバックを攻めるなど、コース取りを徹底した戦略が見られます。なかなか大きく点差がつくことはなく、お互いに接戦を演じる中、ラリー終盤で枝廣選手が勝負に出ます。枝廣選手のテクニックが光る逆モーションを入れたレシーブが見事に決まり、10-8でゲームポイントを握ります。

そこから枝廣選手のサービスが2本あります。1本目では奇襲のロングサービスを使うも、木原選手に対応されます。2本目では順回転のサービスを木原選手にフリックされ10-10に追いつかれます。ここでしっかり決め切りたいところでしたが、一筋縄ではいきません。

1本勝負では、木原選手が巻き込みサービスから横上回転を出し、枝廣選手がバックハンドでレシーブします。上がったドライブを木原選手がスマッシュで決めました。枝廣選手は第2ゲームを10-11で落とします。

第3ゲーム 木原選手のミスの少ない両ハンド

第2ゲームの接戦を制した木原選手はさらにギアを上げます。回転を重視した両ハンドと速いピッチでのラリー戦の2パターンのプレーが木原選手の得点源となり、枝廣選手は打開策を見つけられません。ここで攻めるしかない枝廣選手は先に仕掛けようとしますが、ミスが重なり、次の1本に繋げられない状況が続きます。終盤でも木原選手の精度の高い両ハンドに押され、枝廣選手は第3ゲームを1-11で落とします。結果、ゲームカウント0-3で敗戦となりました。

木原選手の高い攻撃力に押され、悔しい敗戦となりました。特に第2ゲームの接戦を落としたことが、今試合の結果に繋がったと言える試合内容になりました。

2024年1月8日、京都カグヤライズ vs 木下アビエル神奈川は木下アビエル神奈川に軍配が上がる!

新年が明けての1試合目は、全試合0-3負けという悔しい結果に終わりました。どの試合も競る内容がありましたが、次のゲームに繋がる数本を取りきれない難しさがありました。また、どの試合も世界トップ選手が相手で、カグヤライズの選手たちはサービスや打つコースを変えるなどの戦術転換も見られましたが、なかなか点数に繋がらない苦しい試合が多かったです。試合を観ている方も、世界トップ選手の1つ1つの技術や戦術のレベルの高さをひしひしと感じられました。

次は日本ペイントマレッツとのアウェイ戦があります。そこでは勝利できるように、しっかり準備して試合に臨みたいと思います。

ライタープロフィール

記事を書いた人

清水 大暉

京都カグヤライズインターン生。 
中1から卓球を始める。高3で区切りをつけようとしたが、コロナウイルスの影響で学生生活最後の大会が中止に。そこで悔いが残り、卓球の道に進もうと決意。今では趣味で卓球を続け、国際試合や海外リーグの試合をよく観ている。
好きな選手は丹羽選手・酒井選手・モーレゴード選手・ティモボル選手などなど。