京都カグヤライズ vs 九州アスティーダ 仙台市宮城野体育館 ノジマTリーグ 2022-2023

京都カグヤライズ15戦目の相手は九州アスティーダです。新年1発目の試合ということで、選手ももスタッフも気持ちが引き締まります。

今までの九州アスティーダとの対戦は1勝2敗という結果になっています。前回の対戦ではゲームカウント3-1で京都カグヤライズが勝利。いずれも接戦でした。今試合もおそらく激しい接戦になると予想されます。

ノジマTリーグ 2022-2023 京都カグヤライズ 第15戦 vs 九州アスティーダ 仙台市宮城野体育館
写真提供:アフロ

2023年1月8日 ベンチ入りメンバー

  • 成本 綾海 選手
  • ウェイ ウェンション 選手
  • マー ユーハン 選手
  • キム ハヨン 選手
  • ユエン シュエジアオ 選手

昨年の年末まで来日していたシャン選手とドゥ選手は帰国しており、韓国からキム選手が合流しました。キム選手は以前の日本生命レッドエルフ戦で赤江 夏星選手に勝利を挙げています。キム選手を迎え、チーム一丸で新年初勝利を狙います。

第1マッチ:ウェイ ウェンション・マー ユーハン vs 出澤 杏佳・塩見 真希

久しぶりの出場となったウェイ・マーペア。ウェイ選手は右シェークドライブ型、マー選手は左シェークドライブ型です。出澤選手は右シェーク粒高攻守型、塩見選手は右シェーク異質攻撃型です。

九州アスティーダの異質ペアに対して、カグヤライズペアがどのような戦術を取り、立ち回っていくのか注目したいと思います。

ノジマTリーグ 2022-2023 京都カグヤライズ 第15戦 vs 九州アスティーダ 仙台市宮城野体育館

第1ゲーム いいスタートを切るカグヤライズ

九州アスティーダの異質ペアは、出澤選手が粒高、塩見選手が表ソフトです。九州ペアの異質ラバーから放たれる変化幅の大きいボールにカグヤライズペアは苦戦するかと思われましたが、いい形で予想に反し好調な出だしを見せてくれます。ウェイ選手とマー選手の持ち味と言える回転量のあるドライブで、相手ペアのブロックのオーバーミスを誘います。また、的確なコース取りでも決め、順調に点を重ねます。結果、第1ゲームはカグヤライズペアが11-7で取ります。

第2ゲーム 先にゲームポイントを握られるが

後がない九州ペアは積極的に攻めてきます。カグヤライズペアは出澤選手の粒での攻撃に少し苦しみますが、重心を落とした回転量のあるドライブで応戦します。8-10で相手ペアにゲームポイントを握られるも、繋ぐボールと厳しいコース取りで粘り、10-10に。最後はウェイ選手のストップで得点し11-10、ゲームカウント2-0で勝利しました。

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ウェイ選手・マー選手共に終始攻め続け、厳しいコース取りと重心を落として打つ重たいドライブで得点し、とても良いかたちで第1マッチを獲得しました。勝負どころではしっかりコミュニケーションを取って一緒に戦う姿が印象的でした。

第2マッチ:ユエン シュエジアオ vs 牛嶋 星羅

2度目の対戦となったユエン選手と牛嶋選手。10月8日の試合ではユエン選手が3-1で勝利しています。ユエン選手は右シェークドライブ型、牛嶋選手は右シェークカット型です。

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第1ゲーム 牛嶋選手のカット打ちに苦しむ

ユエン選手は、序盤からツッツキを多用します。下回転打ちからの展開ではミスが増える可能性があるからでしょうか。

牛嶋選手からすると、カットをしてリスクを背負うよりもツッツキの方が安定するので、やはりツッツキを用いたいところ。まさにツッツキ合戦というような試合になります。ユエン選手の球が少し浮いたところを牛嶋選手に攻められ、苦しむ間に点差を開けられてしまいます。ユエン選手はなかなか思うようにゲームを運べず、第1ゲームを5-11で落とします。

第2ゲーム ドライブで勝負

ユエン選手は第1ゲームでツッツキだけでは勝てないと思ったのか、第2ゲームではドライブを積極的に打っていきます。そこを牛嶋選手がカウンターで狙ってきますが、そこをしっかり返して得点します。最後まで競り合い、スコアは9-9へ。

終盤、牛嶋選手の変化で球が多少浮いたところを攻められ、ユエン選手は惜しくも第2ゲームを9-11で落とします。

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写真提供:アフロ

第3ゲーム なかなか自身のプレーができない辛さ

牛嶋選手のカットとツッツキの回転の差が激しく、ユエン選手のツッツキがオーバーしたり、ドライブがネットにかかる場面が増えます。思わず消極的になってしまったレシーブを牛嶋選手に狙われて、苦しい展開になります。ユエン選手は、そのまま勢いに乗れず第4ゲームを5-11で落とし、ゲームカウント0-3で敗戦となりました。

年末の試合では木下アビエル神奈川の平野選手、日本生命レッドエルフの早田選手とトップレベルの選手に連勝していたユエン選手でしたが、今試合ではカットマンの牛嶋選手に苦しめられた試合となりました。

第3マッチ:キム ハヨン vs 加藤 美優

1-1でまわってきた第3マッチ。キム選手・加藤選手共に、右シェークドライブ型です。両ハンドが巧く似たスタイルのキム選手と加藤選手、どのような勝負になるでしょうか。

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第1ゲーム 加藤選手のブロックの硬さに苦戦

お互いに、序盤からバック対バックラリーに持ち込んでいきます。キム選手はバックのラリーでストレートに返球するなど、コースを限定させないようにしていきます。しかし、加藤選手の守備力が高く、なかなか打ち抜くことができません。ラリー戦でも加藤選手のプレーを上回ることができず、キム選手は5-11で第1ゲームを落とします。

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第2ゲーム 思うようなプレーができない

キム選手は、シンプルな縦回転サービスからラリーの展開を作っていきます。が、対する加藤選手にサービスから狙われてしまいます。さらに、加藤選手の代名詞とも言える逆チキータを打たれ、キム選手は返球できません。その後、キム選手は下回転を持ち上げたボールを打ちますが、加藤選手にカウンターされ、かなり厳しい展開に。第2ゲームを2-11で落とします。

第3ゲーム 追い詰められ、打開策を練るも

もはや後がないキム選手。第3ゲームでも序盤で加藤選手に離され、どう攻めていけばいいか迷っている様子が見られます。キム選手はタイムアウトを取り、そこからはミドルをついた攻撃やサイドを抜けていく攻撃で戦います。

ついには追いつき、9-9に。このタイミングでの2本がキム選手のサービスで、しっかり取れれば第3ゲームを獲得できます。しかし加藤選手は手強く、相手の得意な形で点を取られ9-11となります。第4マッチを奪われ、ゲームカウント0-3で敗戦となりました。

加藤選手のブロックやカウンターの精度が高く、キム選手はなかなか思うようにプレーできない様子でした。それでも最後まで諦めず、自身の得意な展開にはならなくとも粘って得点する勇猛果敢な姿に感銘を受けました。

第4マッチ:成本 綾海 vs 野村 萌

実業団選手対決となりました。成本選手は左シェーク異質攻撃型、野村選手は右シェーク異質攻撃型です。

同じ異質攻撃型でも、成本選手は変化に特化した表ソフトを使用し、野村選手は弾きに特化した表ソフトを使用しています。両者のプレーの違いをより感じられる試合になりそうです。

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第1ゲーム 出だしは好調!

成本選手は、序盤から縦回転サービスと巻き込みサービスを軸に攻め込んでいきます。縦回転サービスの展開では台上をしっかりストップして止め、野村選手に長いツッツキを回り込んで打ち、得点します。コース取りも巧みで、いろいろなところに返球してコースを散らしながらプレーし、点を重ねていきます。そのままゲームを進め、成本選手は第1ゲームを11-6で取ります。

第2ゲーム 流れが変わる

両選手が表ソフトを使用していることもあり、予想どおり前陣での速いラリーが増えます。野村選手が第1ゲームとはサービスを変え、打点が高いところからの強烈なスマッシュが多く入るようになります。成本選手はこれを巧く返球し、ラリー戦に持ち込みますが、惜しくもよい流れを寄せきれませんでした。第2ゲームを8-11で落とします。

第3ゲーム 強烈なシュートドライブが冴える

第2ゲームで押され気味だった成本選手ですが、第3ゲームでは第1ゲーム同様、自身のサービスからのプレーで持ち直します。バック表ソフトの変化で押しながらの、高い身体能力を活かした回り込みのシュートドライブが効果てきめん!点差をつけ、第3ゲームを11-6で取り返します。

第4ゲーム 両者退かず、終盤まで競る

第3ゲームで効いていた成本選手のバック表の変化に対し、野村選手が修正してきます。そのため、成本選手は変化での得点がしづらくなってしまいます。なかなか得点が重ならず、ここでは野村選手のリードを追いかける形となります。

それでもサービスは効いていて、特に王子サービスからのフォアドライブが成本選手の得点源となります。負けじと野村選手を追い上げるも、野村選手に粘られ、第4ゲームを10-11で落とします。

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ファイナルゲーム 最後は1点も与えずに勝利!

Tリーグでは6-6から始まるファイナルゲーム。成本選手がサービス2本でフォアサイドを切っていくコースに出し、点を先取します。野村選手のサービスではレシーブエースと後陣からの捲るようなカウンターで得点し、10-6に。最後はバック表のナックル性のボールで決めて11-6、ゲームカウント3-2で勝利しました。

野村選手は、近い日程で行われていた実業団での試合で2勝していたため、調子はよさそうだと予想していました。今試合では、多彩なサービスからの思いきりがいいフォアハンドと、変化を混ぜたバック表、要所での厳しいコースを考えた戦術転換などで戦った成本選手が勝利しました。成本選手らしさが見れた1戦で、応援する方も清々しい内容だったと思います。

ビクトリーマッチ:成本 綾海 vs 加藤 美優

ビクトリーマッチは、開幕戦以来の対戦カードになりました。成本選手は左シェーク異質攻撃型、加藤選手は右シェークドライブ型です。

ひいきなしで考えれば加藤選手に分がありますが、Tリーグのビクトリーマッチは1ゲームのみ。独自ルールが影響し、どのような展開になるかは誰も予想ができません。

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ビクトリーマッチ 加藤選手の返球能力の高さ

成本選手の特徴であるバック表を、加藤選手はあまり苦にしていない様子です。加藤選手のボールを台に入れる技術が高く、ラリー戦になっていきます。

ゲームの中で、成本選手が2点リードする場面もありました。しかし、加藤選手の緩急を入れた両ハンドに苦戦し、逆転されます。最後はラリー戦で成本選手の方にミスが出てしまい、8-11で決着。ゲームカウント0-1で京都カグヤライズの敗戦となりました。

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第4ゲームで勝利した流れを持ってコートに向かった成本選手。加藤選手を相手に中盤まではリードしていましたが、加藤選手の高い返球能力でラリー合戦になり、勝ち切れませんでした。それでも素晴らしいプレーの応酬で、かなり見ごたえのある試合になったと思います。

2023年1月8日、京都カグヤライズ vs 九州アスティーダは九州アスティーダに軍配が上がる!

九州アスティーダとの4度目の対戦は、惜しくも2-3で敗戦という結果でした。九州アスティーダとの試合は、毎回のように拮抗し白熱する内容になっています。今シーズンの対戦は今回が最後ですが、来シーズンでもよい試合ができることを楽しみにしています。

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ライタープロフィール

記事を書いた人

清水 大暉

京都カグヤライズインターン生。 
中1から卓球を始める。高3で区切りをつけようとしたが、コロナウイルスの影響で学生生活最後の大会が中止に。そこで悔いが残り、卓球の道に進もうと決意。今では趣味で卓球を続け、国際試合や海外リーグの試合をよく観ている。
好きな選手は丹羽選手・酒井選手・モーレゴード選手・ティモボル選手などなど。