京都カグヤライズ11戦目の相手は、2度目の対戦となった日本ペイントマレッツです。前回の9月17日の試合では、0-4と悔しい敗戦でした。それでも、現時点でカグヤライズは2連勝を挙げているので、この勢いのままマレッツ戦でも勝利をつかみたいところです。
2023年12月23日 ベンチ入りメンバー
- 松島 美空 選手
- ドゥ ホイカン 選手
- 成本 綾海 選手
- ウェイ ウェンション 選手
- ユエン シュエジアオ 選手
- シャン シャオナ 選手
ベンチメンバーは前回の試合と変わらずの顔ぶれ。カットマンが2人いるマレッツを相手に戦うには、相手のオーダーを上手く読むことが重要です。カグヤライズとしては、先日のトップ名古屋との試合でカットマンに勝った成本選手に対戦してもらいたいところですが、果たして読みは当たるでしょうか。
第1マッチ:ドゥ ホイカン・シャン シャオナ vs 橋本 帆乃香・佐藤 瞳
京都カグヤライズからはドゥ選手とシャン選手のペアが出場します。マレッツは橋本選手と佐藤選手のカットマンペアを起用してきました。
ドゥ選手は右シェークドライブ型、シャン選手は右ペン速攻型です。対する橋本選手と佐藤選手は右シェークカット型です。 ドライブと表ソフトの速攻で、カットマンペアを崩します。
第1ゲーム ミスの少ないラリーからの変化
第1ゲームはラリーで始まりました。お互いに非常にミスの少ないラリーです。そこからマレッツペアが攻撃を仕掛けてきますが、カグヤライズペアはきれいに対応し、さらに球筋の長短を混ぜながら相手を揺さぶります。中盤までは競りますが、途中からマレッツペアが攻撃を多く混ぜてくるようになり、カグヤライズペアは苦戦を強いられます。流れを変えられず、4-11で第1ゲームを奪われました。
第2ゲーム メンタル勝負
ここでゲームを取ってファイナルゲームにつなげたいカグヤライズペアは、要所でロングサービスを出してチャンスを作ります。対するマレッツペアも粘りに粘って、なかなか差を開けさせてくれません。ついには先にマッチポイントを握られてしまいましたが、ここでカグヤライズペアのメンタルの強さが表れます。慌てることなく、大切な場面では強打で得点するなどして点を重ね、逆転!11-10で第2ゲームを取り返します。
ファイナルゲーム 最後の最後に……
Tリーグでは6-6から始まるファイナルゲームです。ここでも長いラリーが続きますが、シャン選手が絶妙なストップを披露して得点。そこからマレッツペアの攻撃を巧みに凌ぎながらゲームを進めます。
最後は、ドゥ選手とシャン選手の連携が光ります。まずドゥ選手がフォア面とバック面の球質の違いを活かし面を反転して攻撃のチャンスを作り、そこをシャン選手がスマッシュで決める形でマッチポイントを獲得!11-9でファイナルゲームを制し、ゲームカウント2-1で勝利しました。
この試合で、ドゥ選手とシャン選手のペアは3連勝となりました。激しい攻守の中でお互いがミスのないプレーでつなぎ、シャン選手が決めやすいようにドゥ選手がチャンスを作るなど、国籍は違えど信頼しあい理解しあっているようなプレーが多く見られました。最後、喜びを分かち合うように笑顔で抱き合う姿が印象的でした。
第2マッチ:成本 綾海 vs 芝田 沙季
四天王寺高校の先輩・後輩対決となりました。成本選手は左シェーク異質攻撃型、芝田選手は右シェークドライブ型です。
ラリー戦が巧く強烈な3球目攻撃などを持っている芝田選手に対し、成本選手は多彩なサービスを主軸に戦います。
第1ゲーム サービスからの展開が白熱
芝田選手のロングサービスから2球目攻撃で先手を取り、バック表の変化も使いながら4点差でリードします。このまま流れを味方につけるかと思ったものの、中盤から成本選手のボールに芝田選手の球質に慣れはじめ、逆転されてしまいます。そこからのラリーでは互角に打ち合いますが、芝田選手の巧みなコース取りで9-11で落とします。
第2ゲーム 芝田選手の精度が高い両ハンドに苦戦
芝田選手が繰り出すミスのない両ハンドドライブやカウンターで点を奪われ、点差をつけられてしまいます。成本選手も負けじとバック表で変化をつけて得点しますが、すぐさま対応され、芝田選手に後陣から巻き返されてしまいます。成本選手は悔しくもなかなか勢いに乗れず、2-11で第2ゲームを落とします。
第3ゲーム 追いつきを見せるが
第2ゲームからの芝田選手の好調が続き、7-0と大量にリードされ厳しい展開になります。それでも成本選手は諦めません。緩急や前陣での速いプレーでジワジワと追いついていきます。やっと成本選手に流れが傾きかけたところで、相手側からタイムアウトを取られます。そこからは、また芝田選手に流れが向き、第3ゲームを5-11で落としました。結果、ゲームカウント0-3で敗戦となります。
先輩・後輩対決は、芝田選手に軍配が上がりました。芝田選手はどの技術も非常にレベルが高く、さらにミスのないプレーを繰り広げられ、成本選手は苦戦していた様子でした。しかし、コートには成本選手の成本選手らしいプレーで戦う姿、最後まで諦めない姿がありました。
第3マッチ:ユエン シュエジアオ vs 大藤 沙月
パワフルな両ハンドが持ち味のユエン選手とサービスからの展開が強い大藤選手。両選手とも右シェークドライブ型です。勝利をつかむためには、より自身の得意なプレーに持ち込むことが重要です。
第1ゲーム 大藤選手のサービスに苦戦
大藤選手のアップダウンサービスは、同じフォームから上回転と下回転が出せるため非常に予測しづらいです。ユエン選手はこのサービスに苦戦し、なかなか攻めきることができません。攻略法を見つけられないまま、0-8まで点差をつけられてしまいます。終盤、ユエン選手が何とか盛り返しますが、序盤の点差が響き、追いつけずに6-11で第1ゲームを落とします。
第2ゲーム 苦境を抜け出せず、厳しい戦いに
この第2ゲームでも、やはり大藤選手のサービスに苦戦します。ラリーの展開になり、ユエン選手はここぞとばかりに強いインパクトでバックドライブを放ちますが、前陣で大藤選手にさばかれてしまい、得点につなげられません。ユエン選手はそれでも果敢に攻め、巧みなコース取りや浅い球筋などを駆使し得点、9-9に持ち込みます。そこから両者1ポイントずつ得点し、10-10へ。会場に緊張が走る中、大藤選手のノータッチのチキータでゲームポイントを奪われます。第2ゲームを10-11で惜しくも落としてしまいます。
第3ゲーム 大藤選手の猛攻を防ぎきれず
第3ゲームでは、これまでとは違い大藤選手のラリーに食らいつき2点リードします。流れが変わりそうになるとユエン選手がサービスを変え、2点リードを維持。両者譲らぬままラリー戦になり、8-8まで競り合います。そこから、大藤選手のサービス2本でサービスエースを取られますが、ユエン選手も自身のサービスからの展開で粘り、10-10に。どうしてもここで取りたいところでしたが、最後はミドルを攻められ、10-11で第3ゲームが決しました。ゲームカウント0-3で敗戦となります。
大藤選手の作る打点の早いラリー戦にかなり苦戦していた様子のユエン選手。それでもなんとかラリー戦をものにしようと、ストレート攻撃を使うなど試行錯誤していました。その甲斐あって2度デュースになるも、あと1本を取れず悔しい敗戦となりました。
第4マッチ:シャン シャオナ vs 橋本 帆乃香
9月17日以来の再戦となったこのオーダー。その時はシャン選手が1-3で敗れています。シャン選手は右ペン速攻型、橋本選手は右シェークカット型です。
前回は、橋本選手が繰り出す変化の大きいカットや土壇場でくる攻撃に苦戦していましたが、今試合ではどうなるでしょうか。
第1ゲーム シャン選手の高度な技術
前回の対戦同様、橋本選手のカットやサービスからのバック粒での攻撃に苦戦するシャン選手。徐々に自身のカット打ちを修正し、速いテンポを使って橋本選手が万全の体制でカットできないように仕向けます。競り合ううちにスコアは10-10へ。最後はシャン選手が橋本選手の立ち位置を下げさせてからのビタ止めストップで得点!11-10で第1ゲームを奪取します。
第2ゲーム 橋本選手の戦術にはまる
第1ゲーム同様、シャン選手は速いテンポで打っていきます。その中で、橋本選手はシャン選手のバック側に多くボールを集め、たまにフォア側へ送るようになります。そこでクロスにきたボールをカウンターで得点する展開を作られ、シャン選手は防ぎきれません。3-11で第2ゲームを落とします。
第3ゲーム 相手に揺さぶりをかけ、反撃
シャン選手はここから反撃を仕掛けます。コースを打ち分けて橋本選手を左右に揺さぶるだけでなく、ストップを多く混ぜて前後にも揺さぶるシャン選手。この展開で5-0までリードします。中盤からは橋本選手が体勢を立て直し、これまで効いていたシャン選手のストップが逆に狙われるようになります。また、橋本選手のサービスからのバック粒でプッシュする攻撃に苦しみ、第3ゲームを惜しくも9-11で落としてしまいます。
第4ゲーム バック側にボールを集め、カウンターを回避
ここにきて余裕ができたのか、橋本選手はカウンターを増やしてきます。カット打ちではミスの少ないシャン選手ですが、カウンターがくると防ぎきれず、少し苦い顔を見せます。カウンターを避けたいシャン選手はバック側に多くボールを集めるものの、橋本選手のミスのないカット打ちに阻まれなかなか得点できません。第4ゲームを6-11で落とし、ゲームカウント1-3で敗戦となりました。
9月以来の再戦となった今試合、シャン選手のストップと橋本選手のカウンターが得点のカギとなりました。終盤では、シャン選手の得点のカギであるストップを逆に狙われてしまい、かなり苦しみました。しかし、戦術的にはカット打ちのお手本となるような試合で、見ごたえのある試合となりました。
2022年12月23日、京都カグヤライズ vs 日本ペイントマレッツは日本ペイントマレッツに軍配が上がる!
ダブルスで橋本選手・佐藤選手というカットマンペアから勝ちを取れたことはチームにとって非常に価値が大きく、その勢いで突き進めるか……と思われましたが、マレッツのシングルスの壁は高いものでした。チームでの3連勝には届かずとも、ダブルスで勝利したことでまだいい流れは続いていると感じます。次の試合ではこのまま勝利をつかみたいです!