京都カグヤライズ vs 日本ペイントマレッツ 向日市民体育館 ノジマTリーグ 2022-2023

京都カグヤライズ13戦目、初めての初京都開催ホームマッチ 2試合同日開催での、第2試合。

相手は、今のところ一度も勝利を挙げられていない日本ペイントマレッツです。一昨日12月23日の試合では1-3で敗戦という結果になっています。

しかし、この日は第1試合での木下アビエル神奈川戦にて勝利しています!強敵に勝利した勢いそのままに、日本ペイントマレッツ戦でも力を発揮できるでしょうか。

ノジマTリーグ 2022-2023 京都カグヤライズ 第13戦 vs 日本ペイントマレッツ 向日市民体育館

2023年12月25日 ベンチ入りメンバー

  • 松島 美空 選手
  • ドゥ ホイカン 選手
  • 成本 綾海 選手
  • ウェイ ウェンション 選手
  • ユエン シュエジアオ 選手
  • シャン シャオナ 選手

第1試合での木下アビエル神奈川戦と同じメンバーで戦います。

1日に2試合という珍しいスケジューリングのため選手たちの疲労が心配されますが、ベンチでは次の試合に向け気丈な顔つきで準備する選手たちの姿が見られました。チーム一丸となり、日本ペイントマレッツから初勝利を獲りにいきます!

第1マッチ:ドゥ ホイカン・シャン シャオナ vs 芝田 沙季・大藤 沙月

日本ペイントマレッツからは、芝田選手と大藤選手のペアが出場します。23日の試合でカットマンペアがカグヤライズペアに敗れたためでしょうか。

カグヤライズは変わらず、ドゥ選手とシャン選手のペアで向かいます。
ドゥ選手は右シェークドライブ型、シャン選手は右ペン速攻型です。対してニッペペアは芝田選手、大藤選手共に右シェークドライブ型です。

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第1ゲーム マレッツペアのペースに

マレッツペアが、カグヤライズペアに打たせてカウンターを狙う展開に持ち込んできます。カグヤライズペアとしては前陣でボールをさばき得点していきたいところですが、芝田選手と大藤選手の威力のあるボールに押され、台から身体が下がってしまい、なかなか得点できません。シャン選手のハイトスサービスも効果を見せるものの点を重ねきらず、第1ゲームは9-11で落としてしまいます。

第2ゲーム マッチポイントぎりぎりまで競る

両ペア共に右右の組み合わせで、先に相手を動かしローテーションが崩れたところで厳しいコースをつくというプレーが多く見られます。拮抗したままスコアは10-10まで競りますが、最後はマレッツペアが的確にミドルをつきます。カグヤライズペアはレシーブが甘くなり、失点。10-11で第2ゲームを落とし、ゲームカウント0-2で敗戦となりました。

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シャン選手が貼っている表ソフトの、裏ソフトよりも相手の回転の影響を受けづらい特長を活かし、前陣でプレーしたいところでしたが、マレッツペアに封じられてしまい、よさを出しづらい試合となりました。それでも、ラリー戦では厳しいコースをついて得点していくベテランペアの意地が見られました。

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第2マッチ:成本 綾海 vs 佐藤 瞳

成本選手は左シェーク異質攻撃型、佐藤選手は右シェークカット型です。

カグヤライズとしてはカットマンの橋本選手もしくは佐藤選手にカット攻略がうまい成本選手を当てたいところ、読みが見事に的中!世界トップレベルのカットマン・佐藤選手を相手に激戦が予想されます。

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第1ゲーム 序盤から激しい攻撃を仕掛ける佐藤選手

佐藤選手は「カットしているだけでは勝てない」と考えているのか、序盤から攻撃を多めに使ってプレーします。そんな佐藤選手に、成本選手は前後での揺さぶりをうまく使いながらラリー展開に持ち込みます。しかし佐藤選手は手強く、こちらの思惑どおりにはミスをしません。成本選手は打点の早いカット打ちで追い上げますが、及ばずに8-11で第1ゲームを落とします。

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第2ゲーム 変化幅の大きいカットに苦戦

第1ゲーム同様、佐藤選手は攻撃を多く仕掛けてきます。成本選手の少し高くなったループドライブをカウンターで狙われるため、それを避けたい成本選手は速いテンポで攻撃します。佐藤選手にカウンターの溜めをさせまいと奮闘するものの、変化の大きいカットに苦戦し、第2ゲームを5-11で奪われます。

第3ゲーム ツッツキを多用し、流れを変える

ここを落とすともう後がない成本選手。第1・第2ゲームとは少し変わり、ツッツキを増やしていきます。無理にドライブを打ってミスするよりも、ラリーに持ち込むことで佐藤選手のミスを拾いながら得点する作戦です。それが功を奏し、ついにスコアは10-10へ。長いラリーの中、最後は逆のコースをつく見事な打ち方でゲームポイントを獲得!11-10で第3ゲームを取り返します。

第4ゲーム 第3ゲームからの作戦で粘る

成本選手は第3ゲームで効果的に使っていたツッツキを第4ゲームでも継続し、佐藤選手のバック側にボールを集めます。ボールをバックに多く集めてからフォアに飛ばし、相手の体勢が少し崩れたところでミドルやバックをつき、緩くなったところをフォアに決めるという展開で得点。佐藤選手にリードされていましたが、ついには逆転!11-10で第4ゲームを取ります。

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ファイナルゲーム がまん比べの末に

Tリーグでは6-6から始まるファイナルゲーム。ここでも両者一歩も譲らず点を取り合う展開で進みます。スコアが8-8に至ると、そこからのラリーではがまん比べのような雰囲気に。じりじりと緊張が走る中、佐藤選手が2本ミスをしたところで10-8、成本選手のマッチポイントになります。最後は成本選手が佐藤選手を前後左右に揺さぶり、11-8でゲームを獲得!ゲームカウント3-2で勝利しました。

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どのラリーも非常に長く質の高い球の応酬で、まさにどちらが勝ってもおかしくないと息を吞まされるゲームでした。2ゲームを先に取られ追い詰められた成本選手の、冷静な戦術転換、鋭いコース取りでの得点、素晴らしいカット攻略が会場を沸かせました。

第3マッチ:ユエン シュエジアオ vs 橋本 帆乃香

1-1で迎えた第3マッチのカードは、右シェークドライブ型のユエン選手 vs 右シェークカット型の橋本選手です。

ユエン選手は対ドライブ型に強い選手ですが、今試合ではカットマンの橋本選手が相手になりました。ユエン選手がカットマンをどのように攻略していくのかに注目です。

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第1ゲーム 橋本選手の繰り出す変化に苦戦

ユエン選手は序盤から積極的に両ハンドを振っていきます。しかし、橋本選手の変化が激しいカットに苦しめられ、一気に0-5までリードされてしまいます。ユエン選手はあまり長いラリーに持ち込みたくないのか、決めにいくボールを増やしますが、なかなか決まらず4-11で第1ゲームを落とします。

第2ゲーム 橋本選手の攻撃をうまくさばく

ユエン選手は第2ゲームでは戦術を変え、無理に打ちにいかずしっかりループドライブを使ってラリーに持ち込んでいきます。カットマンのカウンターに苦戦する選手が多い中、ユエン選手は橋本選手のスマッシュやドライブを巧く返球し、得点につなげます。この展開がよい形で勝負にはたらき、11-6で第2ゲームを取り返します。

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第3ゲーム 果敢に決めていきたいユエン選手

第2ゲームでユエン選手が攻撃を返してくることがわかったのか、橋本選手は攻撃した後もしっかりつないでラリーの展開に持ち込みます。対するユエン選手はなかなか得点できずに焦りの気持ちが出たのか、決めにいくようなボールが増え、ミスを出してしまいます。そのまま挽回できず、5-11で第3ゲームを落とします。

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第4ゲーム 流れに乗れない苦しさ

どうにか打開したい場面ですが、なかなかうまくいきません。ユエン選手の回転をかけたループドライブに近いボールは入りますが、少しインパクトを強くしたボールは入らずに点を逃してしまいます。橋本選手はさらに攻撃を増やし、第4ゲームを取ろうとしてきます。ユエン選手は橋本選手の攻撃を見事に返していきますが、あと1球が取れず得点は橋本選手に。この展開で第4ゲームを5-11で落とし、ゲームカウント1-3で敗戦となりました。

回転量とスピードのあるパワードライブが持ち味のユエン選手ですが、パワードライブをカットマンに発揮できず悔しい敗戦となりました。コース取りや回転の強弱でプレーするも、あと1歩及ばず……という試合内容でした。

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第4マッチ:ドゥ ホイカン vs 大藤 沙月

ダブルスに続きシングルスでも対戦となったドゥ選手と大藤選手。両選手共に、右シェークドライブ型です。中陣からの展開が巧みなドゥ選手と前陣での展開に優れた大藤選手のぶつかり合いは、どちらが自身の得意な形でゲームを展開できるかが勝敗を分けるカギとなるでしょう。

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第1ゲーム まずは相手をよく見る

序盤、ドゥ選手は大藤選手の様子を見るためか、YGサービスや巻き込みサービスなどのいろいろなサービスを出して試していきます。次第に大藤選手の勢いに押され気味となり、大藤選手がリード。ドゥ選手は、ここでシンプルな縦回転サービスに切り替えます。じわじわと追い上げを見せるも追いきらず、9-11で第1ゲームを落とします。

第2ゲーム ループドライブが効果抜群!

ドゥ選手はシンプルな縦回転サービスからの展開を主軸に、高いループドライブから緩急をつけた攻撃で得点していきます。ループドライブでは浅い・深いのクセ球を使って大藤選手のブロックミスを誘い、点差をつけていきます。

しかし大藤選手が意地を見せ、終盤では9-9で並びます。最後は大藤選手のサービスミスで11-9に。ドゥ選手が第2ゲームを取り返します。

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第3ゲーム 序盤から大幅にリードされ苦しい展開に

1-1で迎えた第3ゲーム。しっかりと取りたいところですが、序盤から不幸なネットインもあり0-6まで点を引き離されてしまいます。これ以降、上回転のラリーが多くなり、大藤選手の得意とする前陣で打ち合う形に。ドゥ選手は、大藤選手の打点の早いバックハンドに苦戦します。なかなか流れを変えられず、第3ゲームは4-11で落としてしまいます。

第4ゲーム 中後陣でのプレーが冴える

後がないドゥ選手は、ここでサービスをYGサービスに変えていきます。第3ゲームでは前陣でのプレーに持ち込まれて押され気味でしたが、第4ゲームではそうはさせません。中陣や後陣でのプレーが増え、若干ではあるもののドゥ選手の得意な形で進みます。大藤選手に先にマッチポイントを握られますが、粘りに粘り点を重ねていきます。ついに逆転し、10-11で第4ゲームを奪取!勝敗はファイナルゲームへ託されます。

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ファイナルゲーム ベテランならではの戦術が際立つ

スピーディーなラリーが増える中、ドゥ選手はしっかりと高い弧線のループドライブで大藤選手を台から下げさせ、自身が得意な中後陣の展開に持っていきます。速いラリーだけではなく、緩急を入れたり、際どいコースをついたりとさまざまなプレーで得点します。

ここでドゥ選手のネットインもあり、スコアは10-8と追い上げられる展開に。しかし、最後はドゥ選手が前ゲームでも効いていたYGサービスからのバックドライブで決め、11-8でファイナルゲームを獲得!ゲームカウント3-2で勝利しました。

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激戦となった第4マッチ。前半ではなかなか思うようなプレーができず苦しんだドゥ選手でしたが、試合が進むにつれ自身の得意な形に持っていき、最後はこの試合で効果的だったパターンで勝利を手にするという、ベテランならではの試合運びに唸る内容となりました。

ビクトリーマッチ:成本 綾海 vs 芝田 沙季

ビクトリーマッチは、四天王寺高校の先輩後輩対決になりました。成本選手は左シェーク異質攻撃型、芝田選手は右シェークドライブ型です。

両選手は一昨日の試合でも対戦しており、その時は芝田選手が3-0で勝利しています。今試合でのリベンジは叶うでしょうか。

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Tリーグのヴィクトリーマッチは、1ゲームしかありません。プレッシャーの中、序盤からお互いにカウンターからのカウンターで打ち合っていきます。その中で、成本選手がバックの粒で変化をつけるも、芝田選手はそれを苦にしません。

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なかなか勝ち筋が見えないかとハラハラしましたが、成本選手が思いきりのいい回り込みドライブで得点し、カグヤライズファンのテンションは最高に。それでも勝利には手が届かず、最後は5-11でゲームを落とし、カグヤライズの敗戦となりました。

芝田選手の表ラバーのさばきが巧く、成本選手はなかなか勢いを出せず……という内容でした。惜しくもリベンジとはなりませんでしたが、成本選手はノータッチで抜く素晴らしいドライブを見せたりと、会場を沸かせました。

ノジマTリーグ 2022-2023 京都カグヤライズ 第13戦 vs 日本ペイントマレッツ 向日市民体育館

2022年12月25日、京都カグヤライズ vs 日本ペイントマレッツは日本ペイントマレッツに軍配があがる!

ビクトリーマッチまでもつれこむ大激戦に、クリスマスの向日市民体育館は大盛り上がり。特に第2マッチの成本選手と第4マッチのドゥ選手はフルゲームで勝利し、会場の熱をさらに上げてくれました。同日2試合開催のこの日、惜しくも2連勝とはなりませんでしたが、今までで一番と言っても過言ではない素晴らしい試合内容で、ファンの皆さまの笑顔があふれる一日となりました。

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ライタープロフィール

記事を書いた人

清水 大暉

京都カグヤライズインターン生。 
中1から卓球を始める。高3で区切りをつけようとしたが、コロナウイルスの影響で学生生活最後の大会が中止に。そこで悔いが残り、卓球の道に進もうと決意。今では趣味で卓球を続け、国際試合や海外リーグの試合をよく観ている。
好きな選手は丹羽選手・酒井選手・モーレゴード選手・ティモボル選手などなど。