アジア競技大会がある関係でTリーグは約1ヶ月中止になり、Tリーグが再開していきます。
京都カグヤライズ 2023-2024シーズン 5戦目の相手は、2度目の対戦となる木下アビエル神奈川です。前回の対戦では、第4マッチにて勝利を収めましたが、悔しい敗戦となりました。
2023年10月29日 ベンチ入りメンバー
- 松島 美空 選手
- 田村 美佳 選手
- 枝廣 愛 選手
- 工藤 夢 選手
10月29日の前日まで全日本大学総合卓球選手権大会があり、石川県から大学生の3選手と松島選手が合流しました。前日まで大会に出場していたので、大会での疲労や長い移動での疲労もあると思われます。この疲労に負けず若手メンバーで試合に臨みます。
▼用語解説
初心者大歓迎!卓球プチ講座 ~よく聞く言葉・用語編~
第1マッチ:枝廣 愛・工藤 夢 vs 長﨑 美柚・牧野 美玲
カグヤライズダブルスは、枝廣選手と工藤選手の中央大学ペアが起用されました。3回目の登場となるこのペアで、勝利を掴みに行きます。
枝廣選手、工藤選手は右シェークドライブ型、長﨑選手は左シェークドライブ型、牧野選手は右シェークドライブ型です。
立ち回りでは右左ペアのアビエルペアが有利ですが、組んでいるペアリングの良さではカグヤライズペアに分が上がります。どのような戦術をとるかで試合の流れが大きく傾きそうです。
第1ゲーム 序盤から攻撃的な展開で進める
カグヤライズペアは、中学2年生でダブルス経験の少ない牧野選手の厳しいコースをついてアビエルペアを揺さぶっていきます。カグヤライズペアはアビエルペアのミドルを中心に攻め込み9-4とリードを広げますが、長﨑選手と牧野選手の落ち着いたレシーブに苦戦し、9-7まで追いつかれます。カグヤライズ側はすかさずタイムアウトを取り、タイムアウト明けに1点もぎ取り10-7でゲームポイントを握ります。しかしアビエルペアの猛攻で10-10になりました。この一本勝負では右左で組んでいるアビエルペアにコース取りで翻弄され、第1ゲームを10-11で落とします。
第2ゲーム 見ごたえのあるラリー戦
両ペアは一段階ギアが上がり、第1ゲームと比べラリー戦になる展開が増えていきます。カグヤライズペアは両選手が打ち込み、アビエルペアは牧野選手が繋ぎ、長﨑選手が決めるという流れで試合が進みます。第2ゲーム後半では長﨑選手の鋭い両ハンドに苦戦し、牧野選手の安定した攻撃でペースを握られます。カグヤライズペアはどうにか打開しようと攻撃回数を増やしますが、ミスが続き第2ゲームを9-11で落としました。結果、ゲームカウント0-2で敗戦となりました。
第1ゲーム、第2ゲームどちらも接戦になりましたが、悔しい敗戦となりました。あと一点をどのように取るかをコミュニケーションを取りながらやり取りする姿が見られ、最後まで諦めず戦う執念が見られた好試合でした。
第2マッチ:松島 美空 vs 木原 美悠
松島選手は左シェークドライブ型、木原選手は右シェーク異質攻撃型です。
今シーズン初出場の松島選手です。試合が楽しみというようなニコニコした表情でコートに入っていきます。相手は国際大会で中国選手を倒し、勢いに乗る木原選手です。両選手はサービス力が非常に高いので、サービスからの展開が得点源になりそうです。
第1ゲーム サービス力の高さが光る
序盤から木原選手は切れた巻き込みサービスを出し、サービスエースを取ります。松島選手もサービスからの三球目攻撃という得意な展開で得点します。中盤まで、両選手は自身のサービスからの展開を得点源としますが、松島選手のサービスが木原選手に対応され4点差が開いてしまいます。最後も木原選手のサービスエースで得点され、松島選手は第1ゲームを6-11で落とします。
第2ゲーム なかなかペースを掴めない展開に
松島選手は、第1ゲームでも見られた木原選手の緩急に翻弄されてしまいます。また木原選手に広角のコースをつかれるため、身体が小さい分届かず苦しい展開が続きます。松島選手は高速ラリーに食らいついていく良いラリー展開もありましたがミスが続き、第2ゲームは4-11で落とします。
第3ゲーム 木原選手のサービスに苦戦
第3ゲームでも木原選手の多彩なサービスに苦戦します。松島選手は木原選手のサービスに苦戦しながらもレシーブし、上手くラリー展開に持ち込み得点する場面も見られました。終盤では木原選手のアップ系かダウン系の判断がしづらい巻き込みサービスに苦しみ、松島選手自身のサービスでも得点が重ねられず、第3ゲームは4-11で落とします。結果、ゲームカウント0-3で敗戦となりました。
木原選手に挑む松島選手の試合で、まさにサービス合戦というような内容でしたが、一歩及ばず勝利とはなりませんでした。まさに「一球目攻撃」と言ってもいい木原選手のサービス力の高さに苦戦した松島選手ですが、後陣で木原選手と打ち合う場面も見られ、会場を沸かせました。
第3マッチ:田村 美佳 vs 長﨑 美柚
2023年6月17日のTリーグ個人戦以来の対戦となりました。そこでは田村選手が4-1で勝利を収めています。田村選手は長﨑選手を相手に連勝を狙います。
田村選手は右シェークドライブ型、長﨑選手は左シェークドライブ型です。
第1ゲーム 両選手、打点の速いカウンターが炸裂
長﨑選手は前回の対戦で敗戦しているからか、長﨑選手は序盤から思い切りのいい攻撃を仕掛けてきます。田村選手は長﨑選手のプレーに押され気味になり、0-6まで離されてしまいます。多少点差が離されても、田村選手は自身の特長である前陣でのカウンターを武器に得点を重ねます。終盤では長﨑選手に台上プレーで翻弄され、第1ゲームを7-11で落とします。
第2ゲーム 戦術次第で流れが変わる
田村選手は長﨑選手のチキータを警戒して、サービスの配球をフォア側寄りに増やしていきます。この戦術が功を奏し、長﨑選手の得意な形に持ち込ませず自身のカウンターで得点を増やしていくという展開で試合を進めます。田村選手が10-6とゲームポイントを握り、この流れで進むと思われましたが、長﨑選手の粘りで追いつかれ10-10になりました。一本勝負は長﨑選手にラリー戦を制され、第2ゲームを10-11で落とします。
第3ゲーム 粘りを見せる田村選手
長﨑選手は第2ゲームの勢いのまま攻め込んできます。田村選手は長﨑選手に翻弄され、得意なカウンターの展開になかなか持ち込めず、0-7まで点差が開いてしまいました。その後も流れは長﨑選手に傾き、3-10でマッチポイントを握られます。
しかし、ここから田村選手が粘りを見せます。田村選手はミスのないプレーと長﨑選手の動きに合わせたレシーブで得点を重ね、9-10まで追いつきました。この一本を取り、一本勝負へと持ち込みたいところでしたが、長﨑選手の切れた下回転サービスでサービスエースを取られ、田村選手は惜しくも第3ゲームを9-11で落とします。結果、ゲームカウント0-3で敗戦となりました。
Tリーグ個人戦以来の対戦は長﨑選手の勝利という結果になりました。0-3という悔しい敗戦ですが、どのゲームも接戦で、特に第3ゲームの田村選手の追い上げは非常に見ごたえのある試合となりました。
第4マッチ:工藤 夢 vs 面手 凛
今シーズンシングルス初登場の工藤選手です。工藤選手、面手選手共に右シェークドライブ型です。若手の中でもトップを走る面手選手との初対戦は注目の一戦でもあります。
第1ゲーム サービスの多彩さ
両選手は巻き込みサービスから安定した両ハンドを使って試合を進めていきます。ミスの少ないプレーで競りながら展開しますが、工藤選手は面手選手の下回転か無回転かがわかりづらいモーションを入れたサービスに苦戦します。終盤で打ちミスも重なり、第1ゲームを7-11で落とします。
第2ゲーム ラリー展開が増える
第2ゲームでは工藤選手らしさが徐々に出始めます。面手選手が打ってきたボールに対して前陣で打点の早いカウンターが入り、バック対バックのラリー展開が増えていきます。回転重視の工藤選手、回転+スピードで攻める面手選手といったラリーで、工藤選手がここで一本でも多くレシーブできれば勝ち筋が見えるはずです。しかし、工藤選手はなかなか主導権を握れず面手選手のスピードに押され気味になります。なかなか主導権を握れず、第2ゲームを5-11で落とします。
第3ゲーム 戦術転換で流れを掴む
後がない工藤選手は、ここで戦術を変えます。第2ゲームではバック側に多くボールを送り失点が続いていましたが、フォア側に送ることでミスを誘います。またミドルへのコースも混ぜながら、面手選手の打つコースを絞らせず揺さぶりをかけることで、工藤選手が得点を重ねました。この展開で第3ゲームを11-5で取り返します。
第4ゲーム 巧みなコース取り
工藤選手は第3ゲーム同様、様々なコースに打ちながら面手選手のミスを誘います。面手選手はこの戦術を読んだのかフォア側に打たれても腕を伸ばして取り、ラリー戦に持ち込む姿が見られました。両選手共に、前陣での速いラリーの中でも様々なコースに振っていく展開が見られ接戦になります。しかし、面手選手が7-8のところで取ったタイムアウトから流れが変わり、工藤選手は3連続得点を許してしまいます。第4ゲームは7-11で落とし、ゲームカウント1-3で敗戦となりました。
シングルス初出場となった工藤選手ですが、惜しくも初勝利とはなりませんでした。工藤選手は打点が早いバックハンドや速いラリーの得意な形で試合を進め、最後まで攻撃的な姿勢を見せてくれました。
2023年10月29日、京都カグヤライズ vs 木下アビエル神奈川は木下アビエル神奈川に軍配が上がる!
木下アビエル神奈川との2戦目は0-4と悔しい敗戦になりました。敗戦はしたものの、どの試合も1ゲームずつ振り返ると、接戦の末に落とすという惜しいゲームがいくつもありました。あと一本が取れればチームの勝利への道は必ず開かれます。この一つ一つの試合経験を大事にして、次の試合の勝利へと繋げていきたいと思います。