京都カグヤライズ vs 九州アスティーダ 大田区総合体育館 ノジマTリーグ 2022-2023

2022年9月11日、2022-2023シーズンよりTリーグに新規参入した京都カグヤライズが初陣を迎えました。大きな希望と少しの不安、熱意と緊張、さまざまな感情が入り混じる中、ついに始動します。

初陣の相手は昨シーズンからTリーグに参入した九州アスティーダ。京都カグヤライズは、1年先輩の九州アスティーダに挑戦者の気持ちで戦います!

京都カグヤライズの初陣! vs 九州アスティーダ 大田区総合体育館

2022年9月11日 ベンチ入りメンバー

  • 松島 美空 選手
  • ドゥ ホイカン 選手
  • 成本 綾海 選手
  • ウェイ ウェンション 選手
  • シャン シャオナ 選手
  • ファン ユーウェン 選手

眩しいスポットライトに照らされ、少し緊張した顔つきで入場してくる選手たち。この後の各試合ではどんなプレーが観られるのか、スタッフ一同も期待が隠せずソワソワしています。

第1マッチ:シャン シャオナ・ファン ユーウェン vs 塩見 真希・出澤 杏佳

シャン シャオナ選手は、右ペンでフォア側に表ソフトを貼った珍しい選手です。ペアを組むのは、左シェーク裏裏の正統派ドライブマン、ファン ユーウェン選手。対する九州アスティーダペアの塩見 真希選手は、右シェークのフォア側に表ソフトを貼った選手で、出澤 杏佳選手は右シェークのバック側に変化形の表ソフトを貼った選手です。

4人中3人が粒のラバーを貼っていることもあり、不規則なラリー展開が予想されます。

京都カグヤライズの初陣! vs 九州アスティーダ 大田区総合体育館

第1ゲーム シャン シャオナ選手のハイトスサーブで開始!

第1ゲームの初球、シャン選手のハイトスサービスでサービスエースを取り、エンジンをかけます。お互いに攻撃的なプレーが多く見られ、ゲームが進むにつれて両者鋭いコースをつき、ミスを誘いながら得点していきます。その中で、九州ペアがボールの変化にうまく対応し、ゲームポイントを奪取。カグヤライズペアは競りながらも第1ゲームを落としてしまいます。

第2ゲーム ファン ユーウェン選手のみごとな立ち回りでチャンスを作る!

第2ゲームも、九州ペアが繰り出す粒特有の不規則な回転の変化に苦戦します。しかし、その中でも要所でファン選手が先手を打ち、厳しいコースをついて点を確実に重ねます!先にマッチポイントを握られるも、カグヤライズペアがうまくラリーを制し、第2ゲームを奪い返します。

ファイナルゲーム 一進一退のシーソーゲーム

6-6から始まるファイナルゲームは、九州ペアが先行する形で始まります。2点差で離されるも、シャン選手とファン選手が果敢に打ち込み8-8に。その後も取って取られての展開が続き、10-10と両者1歩も譲らず競り合います。

2ポイント差をつければ勝敗が決まる……というプレッシャーの下、シャン選手のサービスがまさかのミスとなりました。ここを取られると後がない場面で、少し守備的になってしまいます。最後はツッツキでボールを送る形となり、先に出澤選手に攻められる流れに。カグヤライズペアはファイナルゲームを10-12で落とし、ラリーをうまく制した九州アスティーダペアにゲームカウント1-2で勝利を譲りました。

カグヤライズはツッツキの前後の揺さぶりを巧みに使い、牛嶋選手のカットを見事に攻略しました。途中、牛嶋選手のバック粒での変化に苦しめられる場面もありましたが、11-4で第1ゲームを獲得します。

第2マッチ:ドゥ ホイカン vs 牛嶋 星羅

ドゥ ホイカン選手は右シェーク裏裏で、対する牛嶋 星羅選手は右シェークカット型。ドゥ選手が牛嶋選手のカットをどう攻略するかが試合の勝敗を分けます。

Tリーグには「マッチインタイムレギュレーション」という独自のルールがあります。審判がカウンターをセットしてから60秒以内に入場するという内容で、今回、ドゥ選手の入場が遅れたため、このルールが適用されました。ペナルティとして、牛嶋選手に1点を加点した状態でスタートします。初めてのことに少し戸惑いを見せるドゥ選手でしたが、すぐに切り替え、試合に臨みます。

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第1ゲーム ドゥ選手、圧巻のプレー!

ペナルティはあったものの、ドゥ選手は序盤から安定したカット打ちを見せます。さらに、ドライブとツッツキの前後の揺さぶりを巧みに使い、牛嶋選手のカットをみごと攻略。途中、牛嶋選手のバック粒での変化に苦しめられる場面もありましたが、11-4で第1ゲームを獲得します。

第2ゲーム 戦術が変化し、競る形に!

第2ゲームでは牛嶋選手がドゥ選手の球質に慣れてきたのか、カットのミスが減ってきます。落ち着いた様子を見せ、左右に揺さぶるカット打ちでドゥ選手のミスを誘う攻め方に。第1ゲームでもドゥ選手が苦戦したバック粒での変化を使い、点差をつけていきます。ドゥ選手も負けじと応戦しますが、高く上がったループドライブにはカウンターで対応され、なかなかドゥ選手が得意とする展開に持ち込めません。牛嶋選手のカットの激しい変化に押され、第2ゲームを落とします。

第3ゲーム 追い上げを見せるも

ゲームカウント1-1で迎えた第3ゲーム。第2ゲーム同様、ドゥ選手のサービスに対して牛嶋選手がバック粒でのレシーブを徹底的に増やします。牛嶋選手が流れをつかみ4点差を開けられる苦しい展開になりますが、ドゥ選手も持ち味である安定した両ハンドとツッツキを駆使し、ジワジワと追い上げます。接戦を演じるものの、ドゥ選手は8-11で第3ゲームを落としてしまいます。

第4ゲーム タイムアウトで流れを変える!

もう後がない第4ゲーム。ドゥ選手が先行し2点差をつけるも追いつかれ、4-5の場面でドゥ選手がタイムアウト。タイムアウト後、点差をつけてリードしたいところではありましたが、じわじわと競りながらスコアは10-10に。観客が静かに見守るラリーの中、ドゥ選手のアップ系サービスの 3球目攻撃でポイントを決め、ドゥ選手が第4ゲームを奪います!

ファイナルゲーム 粘りに粘りドゥ選手が勝利!

第1マッチに続き、6-6から始まるファイナルゲームにもつれ込みます。ファイナルゲームでは、牛嶋選手が序盤から攻めるもののミスが目立ちます。ドゥ選手が自身のサービス2本で点を取り、スコアは9-7に。ドゥ選手は要所をしっかりと繋いでポイントを重ねます。最後は牛嶋選手のミス2本で11-7となり、ファイナルゲームが決着。ゲームカウント3-2で勝利!世界で活躍するドゥ選手の、勝負どころでの強さが見られた試合となりました。

第3マッチ:ウェイ ウェンション vs 野村 萌

ウェイ選手は右シェークの裏裏で、野村選手は右シェークでバックに表ソフトを貼っています。両者打ち合いの展開になりそうです。

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第1ゲーム 華麗な両ハンドで魅せる!

第1ゲーム、Tリーグ初出場とは思えないスタートで両ハンドドライブを振り、果敢に得点していくウェイ選手。シンプルなサービスから巧くミドルをついた戦術を取っていきます。野村選手のスマッシュやバック表に少し苦戦するも、回転量の多いドライブで攻め続け、みごと第 1ゲームを獲得します。

第2ゲーム 競りながらも勝負強さで押し切る!

続く第2ゲームでは、お互い一歩も引かず競る展開になります。野村選手の強打に対し、ウェイ選手は怯まず応戦。バック対バックのラリーが続く中、両ハンドで厳しいコースを突き、得点を重ねます。先にマッチポイントを握るも、ネットインのアンラッキーなボールもあり10-10に。それでもウェイ選手は強気です。ナックルロングサービスをミドルに出して、11-10で勝利に王手をかけます!

第3ゲーム 戦術を変えられ、苦戦

ここでゲームを取れば勝利となる第3ゲーム。やはりここでもバック対バックのラリーが多く続きます。野村選手は前ゲームとは動き方を変え、ウェイ選手に万全な体制での両ハンドを振らせまいと、左右の揺さぶりをかける動きに。目の前に現れたチャンスを逃さない野村選手、持ち味の強打で得点する場面が増えていきます。そんな野村選手を、ウェイ選手は悔しくもうまく攻略できず、第3ゲームを9-11で落としてしまいます。

第4ゲーム 惜しくもゲームを落とす

第3ゲームを取られてしまったものの、まだ有利なのはウェイ選手。第4ゲームではなかなか大きな点差がつかず、第2ゲームと同じようにじわじわと競っていきます。9-9になり、後がなくなった野村選手は思い切りのいいフォアハンドで攻め、得点。先にマッチポイントを握られますが、ウェイ選手も粘って10-10に。ウェイ選手がここを取れば勝利となる正念場でしたが、大きなラリーの中で押しきれず、10-11で惜しくも第4ゲームを落とします。

ファイナルゲーム 互いに苦しい表情を見せる

緊張の中で始まるファイナルゲーム。回転量の差やタイミングのずれで、お互いに苦い表情を見せるのが印象的です。競り合いながらポイントを重ね、スコアは9-9になります。ラリーが展開する中、ウェイ選手が先にマッチポイントを握りますが、エッジボールで10-10に。そこで野村選手にアップ系のロングサービスを出され、ポイントを取られます。10-11になり、最後はウェイ選手のツッツキが少し浅くなったところを野村選手に狙われ、10-12でファイナルゲームが決します。残念ながら、ゲームカウント2-3での敗戦となりました。

敗れはしたものの、ウェイ選手の巧みなコース取りから得点に繋ぐ姿など、両者ハイレベルなプレーが見られた好ゲームでした。

第4マッチ:成本 綾海 vs 加藤 美優

成本選手は左シェークのバック異質表で、加藤選手は右シェークの裏裏です。両者、多彩なサービスから一気に勝負をかけるタイプなので、そこに注目したいと思います。

京都カグヤライズの初陣! vs 九州アスティーダ 大田区総合体育館

第1ゲーム 大幅なリードでゲーム先取なるか?

序盤から積極的に攻め、点差をつける成本選手。バック表の変化も巧みに使いながらポイントを重ね、10-3と順調にリードします。しかし、そこからは加藤選手の凄まじい追い上げ!成本選手のボールに加藤選手が合わせ、どんどん得点されてしまいます。結果、10-11で逆転を受け入れることとなりました。

第2ゲーム サービスを変え、流れをつかもうとする成本選手

続く第2ゲームでは、成本選手が王子サービスを使い、速攻で仕掛けていきます。果敢な姿勢で挑むも、ゲームの中盤あたりから加藤選手の連打で防戦一方という展開に。お互いにサーブからの高速ラリーに繋がる展開が増え、その中で1つ1つ確実に点を重ねる加藤選手。成本選手のプレッシャーがどんどん大きくなっていきます。引き続き加藤選手のコース取り、緩急、両ハンドが冴え、7-11で第2ゲームを奪われました。

第3ゲーム ここから巻き返したい!

窮地に追い込まれた第3ゲーム。成本選手の打点の早いカウンターが光る場面などもあり、よい展開に見えましたが、その一本一本を返してくる加藤選手を崩すことができません。ラリー戦で粘り食いつきポイントを着実に積み重ねるも、すぐに巻き返されてしまいます。最後は加藤選手に厳しいコースを突かれ、8-11で第3ゲームが終了。なかなか流れがつかめず、ゲームカウント0- 3で悔しい敗戦となりました。

2022年9月11日、京都カグヤライズ vs 九州アスティーダは九州アスティーダに軍配が上がる!

京都カグヤライズにとって記念すべき初陣は、華々しい勝利で飾ることはできませんでした。しかし4マッチ中 3マッチがフルゲーム、強敵にも果敢に挑み点を重ねていく姿が目に焼きつく試合でした。選手たち一人一人の持つ力と勝ちにこだわる強い意志が、必ず勝ち筋の光を見せてくれるはずです!

ライタープロフィール

記事を書いた人

清水 大暉

京都カグヤライズインターン生。 
中1から卓球を始める。高3で区切りをつけようとしたが、コロナウイルスの影響で学生生活最後の大会が中止に。そこで悔いが残り、卓球の道に進もうと決意。今では趣味で卓球を続け、国際試合や海外リーグの試合をよく観ている。
好きな選手は丹羽選手・酒井選手・モーレゴード選手・ティモボル選手などなど。