京都カグヤライズ 2023-2024シーズン 7戦目の相手は、今シーズン初対戦となる九州アスティーダです。昨シーズンの対戦成績は1勝3敗で、どの試合も接戦となっています。今試合も接戦が予想されます。
2023年11月5日 ベンチ入りメンバー
- 牧野 里菜 選手
- 木塚 陽菜選手
- 枝廣 愛 選手
- 工藤 夢 選手
今試合から新加入選手が合流しました。現在、神戸松蔭女子学院大学に在学している木塚 陽菜選手です。活気あふれる選手で、ていねいなラリー戦が持ち味です。この木塚選手と共にチーム初勝利を狙います。
▼用語解説
初心者大歓迎!卓球プチ講座~よく聞く言葉・用語編~
第1マッチ:枝廣 愛・工藤 夢 vs 田口 瑛美子・首藤 成美
カグヤライズダブルスは、枝廣選手と工藤選手の中央大学ペアが起用されました。コミュニケーションを取りながら、ペアリングを活かしたプレーで初勝利を取りにいきます。
枝廣選手、工藤選手は右シェークドライブ型、首藤選手は左シェークドライブ型、田口選手は右シェーク異質攻撃型です。
右左で組んでいる九州ペアは首藤選手がチャンスをつくり、田口選手が決めるという展開で攻めてくるはずです。先手を仕掛けられるかで流れが大きく変わります。
第1ゲーム サービスレシーブが重要になる
田口選手のサービスから始まり、アップダウンが分かりづらい巻き込みサービスに枝廣選手はレシーブミスを2本してしまいます。九州ペアにとってよい流れが続き、カグヤライズペアは2-8までリードを許す展開になりました。カグヤライズペアは焦ることなく、徐々に普段通りの調子を取り戻し、6-8まで迫ります。九州ペアは追いつかれたタイミングでタイムアウトを取り、カグヤライズペアはよい流れが断ち切られ、連続得点を入れられてしまいました。第1ゲームは6-11で落とします。
第2ゲーム 見ごたえのあるラリー戦
第2ゲームではレシーバーが変わるので、田口選手のサービスを工藤選手が受けます。工藤選手は田口選手のサービスをコースをついて返球し、九州ペアの厳しいコースをついたラリー展開に持ち込ませないようにしていきます。両ペアは厳しいコース取りのボールを返球していく中で互角の勝負となり、10-10まで競る形になりました。この1本が第1マッチの勝敗を左右すると言える、お互いにとって非常に大切な1本です。会場全体に緊張が走ります。
ピリピリとした空気の中、田口選手がバックでレシーブします。工藤選手はそれを見て、相手の隙を突いて首藤選手のフォア側に球を送り、それによって空いた田口選手のバック側を枝廣選手が攻めます。絶妙なコンビネーションが功を奏し、見事にポイントを奪取!第2ゲームを11-10で取り返しました。
ファイナルゲーム
Tリーグでは6-6から始まるファイナルゲーム。カグヤライズペアは第2ゲームを取った勢いのまま試合を進めたいところでしたが、田口選手のバック表のブロックと九州ペアの厳しいコース取りで7-9とリードを許します。相手を動かしてラリー戦に持ち込む展開になると、やはり右左で組んでいる九州ペアが有利です。カグヤライズペアは一歩及ばず、2点のリードを許した上でマッチポイントを握られてしまいます。
しかし、この不利な状況でもカグヤライズペアは焦ることなく落ち着いて返球します。ラリーでの粘りとサービスエースで2ポイントを取り、10-10まで追いつきました。
ここからは、サービスが1本ずつで交代になります。まずは田口選手が巻き込みサービスを放ち、枝廣選手はサービスエースを許してしまいます。カグヤライズペアは後がない状況となりますが、相手のバック側にボールを多く集めてラリーで粘り、11-11のデュースに戻しました。次の1本では、カグヤライズペアがラリーで九州ペアのミドルにボールを多く集め、相手のミスを誘う展開に持ち込みます。この戦術が通用し、12-11でついにマッチポイントを握ります!
多くの視線が集まるこの場面で、しっかりと決めたいカグヤライズペアはラリーの中で九州ペアのバック、ミドルを中心に狙い、最後はフォアを狙うという素晴らしいコース取りで得点します!スコアは13-11、ゲームカウント2-1で勝利となりました。
枝廣選手・工藤選手ペアにとって、Tリーグでの初勝利です。Tリーグ以外でのペア歴が長いこともあり、追い詰められても焦らずにコミュニケーションを取る姿が印象的でした。最後は、枝廣選手と工藤選手がお互いを知り尽くしているからこそのプレーが顕著に表れた試合となりました。
第2マッチ:木塚 陽菜 vs 栗山 優菜
木塚選手は右シェークドライブ型、栗山選手は左シェークドライブ型です。
さっそく、新加入の木塚選手の登場です。相手は、先日行われたインターハイで準優勝を飾った栗山選手です。若手選手同士の対決なので、「現代卓球」と言われるテンポの速い攻撃的な展開が見られそうです。
第1ゲーム 序盤から接戦に
両選手は1球目から気持ちを前面に出し、声を出して自身のパフォーマンスを上げていきます。お互い1本取り、1本取られる流れが終盤まで続き、接戦になります。8-8から木塚選手のサービスで2本連取したいところでしたが、ラリー戦を栗山選手に粘られ8-10でゲームポイントを許してしまいます。木塚選手はそこから1本追いつくも2本目をサービスレシーブでミスしてしまい、9-11となりました。第1ゲームを惜しくも落とします。
第2ゲーム サービスの読み合い
第2ゲームでも中盤まで接戦となります。両選手はショートサービスとロングサービスを巧妙に使い分けながら、ラリー戦に持ち込み、コースを突いた攻撃で得点します。5-5から栗山選手に2点取られ、そこから流れが栗山選手に傾き、木塚選手は連続得点を許してしまいます。木塚選手は4点差がついた状態から挽回できず、第2ゲームを6-11で落とします。
第3ゲーム サービスや打つコースを変えていく木塚選手
後がない木塚選手と2ゲームを取り流れが傾いている栗山選手で、栗山選手にとって有利な状況が続きます。序盤で木塚選手は3点のリードを許してしまい苦しい展開になりますが、タイムアウトを取り流れを断ち切ります。そこから接戦が続き、6-6から栗山選手2点リードの点差がつきます。木塚選手はストレート攻撃を使い分けながら追いつくも、最後は栗山選手に打ち抜かれ、第3ゲームは8-11となりました。結果、ゲームカウント0-3で敗戦となりました。
木塚選手のデビュー戦は白星発進とはなりませんでした。しかし木塚選手は1本取るごとに声を出し、ガッツを見せたプレーでベンチや観客を大いに盛り上げてくれました。
第3マッチ:枝廣 愛 vs 野村 萌
昨シーズンのチームメイト同士の対戦となりました。お互いにプレースタイルやサービスの種類などを知り尽くしています。そのため、戦術次第で試合の流れが大きく変わりそうです。
枝廣選手は右シェークドライブ型、野村選手は右シェーク異質攻撃型です。
第1ゲーム 緩急をつけたプレー
枝廣選手は、序盤で野村選手の切れたサービスやレシーブに苦戦し、ネットにかける場面が多くありました。また野村選手のスピーディーなバックでの攻撃に押され気味になります。ですが試合が進むにつれ、枝廣選手は焦らず、回転を重視した両ハンドで緩急をつけながら野村選手のミスを誘います。この戦術が試合の流れを変え、逆転で第1ゲームを11-9で取ります。
第2ゲーム 相手の特長を封じる
枝廣選手は第1ゲームで効いていた緩急を使ったドライブを、第2ゲームでも継続していきます。一方の野村選手はパワーのある攻撃を出しつつラリーに持ち込みます。両選手、自身の特長を活かしたプレーが出て接戦になり、息を吞むラリーが続いていきます。終盤では、枝廣選手が野村選手の強打を封じる緩いボールを使ったラリーで得点を重ねました。第2ゲームを11-8で連取します。
第3ゲーム 球質の変化で得点を重ねる
枝廣選手は第1ゲームと第2ゲームを取り、よい流れができています。このまま逃げ切りたいところです。序盤で、まだ枝廣選手の球質に慣れないのか、野村選手がネットにかける場面が多くありました。このミスに気づいたのか、枝廣選手はバック側のコースに攻撃を増やし、大幅なリードを広げます。打点を落とした浅いループドライブ、ラリーでのストレート攻撃を使い分けながら、最後は11-3でゲームを締めました。結果、ゲームカウント3-0で勝利となりました。
枝廣選手は、今シーズンシングルスでの初勝利を手にしました。相手の特長を封じ、自身のプレーを活かすという戦術の組み立てが功を奏した試合になりました。
第4マッチ:牧野 里菜 vs 田口 瑛美子
今シーズンシングルス初登場の牧野選手です。牧野選手は右シェークドライブ型、田口選手は右シェークドライブ型です。牧野選手はシングルスでの初勝利を掴みにいきます。
第1ゲーム 巻き込みサービスに押される
ダブルスでも見せた田口選手のアップダウンが分かりづらい巻き込みサービスに、牧野選手は苦戦します。牧野選手は田口選手のサービスに対し、入れるだけの単調なレシーブになってしまい、そのレシーブを田口選手に三球目攻撃で狙われてしまいます。牧野選手自身の両ハンドドライブが活かせないまま、第1ゲームを3-11で落とします。
第2ゲーム どこかで流れを掴みたいが……
牧野選手は第2ゲームでも田口選手のサービスをレシーブできない展開が続きます。この流れが続くと、牧野選手は自身のサービスの展開で確実に得点を重ねなくてはなりません。しかしピッチの速い田口選手の攻撃に振り回され、牧野選手は溜めて打つ両ハンドドライブが打てない状況が続きます。第2ゲームは5-11で落とします。
第3ゲーム 仕掛けにいく牧野選手
後がない牧野選手は、田口選手の巻き込みサービスに対しレシーブで仕掛けていきます。ですがなかなかうまくいかず、田口選手にレシーブを狙われてしまいます。牧野選手はサービスの展開で下回転系のボールを多く出しますが、田口選手の切れたツッツキにレシーブミスをしてしまう場面もありました。牧野選手は流れを掴むことができず、第3ゲームは5-11で落としました。結果、ゲームカウント0-3で敗戦となりました。
牧野選手のシングルスデビュー戦は悔しい敗戦となりました。かなり苦しい試合でしたが、牧野選手の今後の成長に必ず活きてくる、内容の濃い試合となりました。
ビクトリーマッチ:木塚 陽菜 vs 栗山 優菜
京都カグヤライズ2回目のビクトリーマッチに突入しました。出場するのは木塚選手です。池袋監督に起用について伺ったところ、木塚選手が神戸松蔭女子学院大学で団体戦の戦い方を経験していることが理由のひとつとして挙がりました。また、木塚選手自身が「自分が取り返してくる」と話したことが、ビクトリーマッチ起用の決め手になったそうです。
相手は第2マッチで勝利した栗山選手、同日での再戦となりました。木塚選手は右シェークドライブ型、栗山選手は左シェークドライブ型です。
先の対戦の感触が残るビクトリーマッチで、お互いにどのような戦術を組み立て、プレーするのでしょうか。
ビクトリーマッチ 激しい攻防の末に……
1ゲームのみなので、最初が肝心です。木塚選手のサービスから始まり、鋭い三球目攻撃を決め、いい形で試合に入っていきます。木塚選手は第2マッチと比べて、攻撃時に腕をしっかり振り切り、直線的な鋭い攻撃を繰り出していました。しっかり腕を振り切ることによって、ボールに回転、スピードをプラスできるので、威力のあるボールが打てます。木塚選手は、この威力のあるボールを駆使して栗山選手を台から下げさせます。そのまま速い展開で押し切り、ついに10-6でマッチポイントを握ります。栗山選手もあきらめずに粘りますが、最後は木塚選手がとっさの反応でギリギリのボールを取り、ポイントを奪取。11-9で勝利を手にしました。
初めてのビクトリーマッチという強いプレッシャーを感じる舞台で、木塚選手は「自分で取り返してくる」という言葉を背負ってコートに向かい、見事にその言葉を実現しました!ベンチからの声援を受けながら戦い、自らのTリーグシングルス初勝利に留まらず、チーム全体を今シーズンの初勝利に導いてくれました。
2023年11月5日、京都カグヤライズ vs 九州アスティーダは京都カグヤライズに軍配が上がる!
京都カグヤライズは、待望の今シーズン初勝利を掴みとりました。なかなか勝てない状況が続き、苦しんだ試合も多くありましたが、決して諦めずに一戦一戦を大切に戦った結果、ついに花がひとつ開きました。
昨シーズンからメンバー構成が大きく変わり、学生を中心とした若さあふれるチームになって、雰囲気も一新されました。辛いときも苦しいときも、選手たちは決して笑顔を絶やさず、それぞれがアドバイスを送り合いながらチーム一丸となって戦ってきました。今回の勝利をひとつの大きな節目とし、これからもチームワークを大切にしながら戦い続けます。