京都カグヤライズ vs 日本ペイントマレッツ KBSホールノジマTリーグ 2023-2024

今シーズン初の京都でのホームマッチ2日目となりました。前日に引き続き、平日にも関わらず、多くのお客さまが足を運んでいます。多くのお客さまが見守る中、選手たちが入場していきます。

京都カグヤライズ 2023-2024シーズン 9戦目の相手は、2度目の対戦となる日本ペイントマレッツです。前回の対戦では、第3マッチで成本選手が勝利するも1-3で敗れる結果になっています。今試合こそは勝利を掴みにいきます。

2023年11月17日 ベンチ入りメンバー

  • 松島 美空 選手
  • 成本 綾海 選手
  • アドリアーナ ディアス 選手
  • 田村 美佳 選手
  • 木塚 陽菜 選手
  • 工藤 夢 選手

前日の試合と同じベンチ入りメンバーになりました。コートに立つメンバーに変更はあるのかどうか、楽しみな一戦です。

▼用語紹介
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第1マッチ:成本 綾海・工藤 夢 vs 芝田 沙希・大藤 沙月

前回の日本ペイントマレッツとの対戦と同じオーダーになりました。成本選手は左シェーク異質攻撃型、工藤選手は右シェークドライブ型です。芝田選手と大藤選手は右シェークドライブ型です。

一度対戦しているペアなので、お互いに戦術を練ってくるはずです。その上で、カグヤライズペアがどのような攻撃を仕掛けるかに注目したいと思います。

第1ゲーム カグヤライズペアの安定感のあるラリー

出だしからカグヤライズペアはマレッツペアを左右に揺さぶり、ミスを誘う展開に持ち込みます。工藤選手の安定感のあるレシーブと成本選手の決め球や変化で得点を重ね、リードしていきます。カグヤライズペアは、右左ペアの特長である動きのスムーズさを活かした速い展開の攻撃でリードを保ち、第1ゲームを11-6で先取します。

第2ゲーム マレッツペアの厳しいコース取りに苦戦

第2ゲームはそれぞれサービスとレシーブを受ける選手が変わります。第1ゲームでは成本選手の変化が大藤選手に効いていましたが、第2ゲームでは成本選手の変化のボールが芝田選手に狙われてしまう展開になります。カグヤライズペアは、成本選手の変化で得点を重ねることが難しくなり、リードを許してしまいます。先にゲームポイントを握られ、1点取るも挽回することは叶わず、第2ゲームを7-11で落とします。

ファイナルゲーム サービスからの展開が重要に

Tリーグでは6-6から始まるファイナルゲーム。両ペアは多彩なレシーブを使いながら、厳しいコース取りで得点し、接戦になります。お互いに一歩も引かない展開になりますが、マレッツペアの連打に押され、先にマッチポイントを握られてしまいます。しかし、カグヤライズペアは落ち着いた様子で、工藤選手の巻き込みサービスから、成本選手の回り込みの三球目攻撃をしっかり決め、デュースに追いつきました。

(Photo by T.LEAGUE/AFLO SPORT)

ここからはサービス1本交代で、より白熱したラリー戦になります。カグヤライズペアは、工藤選手のバックミートと成本選手のプッシュ気味のボールで押し、ラリー戦にします。対するマレッツペアは両ハンドを使って粘ってきます。先にマレッツペアにゲームポイントを握られますが、カグヤライズペアはラリーでの冷静なコース取りで11-11のデュースに戻します。

次の1本で、カグヤライズペアは工藤選手のネットインでラリーの流れが崩れたところをチャンスに変え、マレッツペアのバック側を攻め続けて、ついにマッチポイントを握ります。12-11のところでタイムアウトを取り、ベンチにいる和田コーチと作戦を練り直します。タイムアウトが明けた1本は、工藤選手の巻き込みサービスから、成本選手の回り込んだループドライブで大藤選手のブロックをオーバーさせました。結果、ファイナルゲームは13-11で取り、ゲームカウント2-1で勝利しました。

成本選手と工藤選手は前回のリベンジを果たしました。ファイナルゲームでは両ペアが一歩も譲らない白熱したラリーを展開し、どちらが勝つか最後まで分からない状況でした。最後の最後でタイムアウトを取り、戦術を練り直したことが勝利に繋がったと思います。

第2マッチ:松島 美空 vs 橋本 帆乃香

Tリーグでは初対戦の組み合わせになりました。松島選手は左シェークドライブ型、橋本選手は右シェークカット型です。

粘りのあるカットとカウンターが持ち味の橋本選手に対して、松島選手はどのような戦術を駆使してカット打ちをしていくのかが注目どころです。

第1ゲーム 松島選手のていねいなカット打ち

松島選手はサービスの長短を使い分けながら、ていねいなカット打ちをしていきます。松島選手の一本一本のカット打ちでは、ミスの少ない長いラリーが続いていきます。しかし長いラリーが続くと、松島選手が橋本選手の変化にミスを誘われ、失点が増えてしまいます。少しでも浮くと橋本選手のカウンターが入り、点差をつけられてしまいました。第1ゲームは5-11で落とします。

第2ゲーム 橋本選手のプレーが攻撃的に

松島選手は第1ゲームでていねいなカット打ちを展開しました。この展開を読んだ橋本選手は第2ゲームで攻撃的なプレーをしてきます。橋本選手はサービスからの三球目攻撃の割合を増やし、攻撃で得点を重ねてきます。松島選手は橋本選手の前後左右に揺さぶり、ミスを誘いますがなかなか得点を重ねられず、橋本選手の攻撃に押されてしまいます。松島選手は流れを掴めず、第2ゲームを2-11で落とします。

第3ゲーム ミスを誘う展開で得点する松島選手

松島選手は2ゲーム先取され苦しい展開が続きます。これまでの展開として、松島選手は橋本選手のミスを誘う形で点数を重ねています。第3ゲームでもこの点数の取り方で得点しますが、橋本選手に修正されたミスの少ないカットに苦戦します。

松島選手は表情を曇らせながらも果敢に立ち向かいます。しかし挽回することは叶わず、第3ゲームを5-11で落としました。結果、ゲームカウント0-3で敗戦となりました。

世界でもトップクラスのカットマン、橋本選手への挑戦でした。松島選手のミスの少ないカット打ちとカット全般の橋本選手の技術力の高さが光る試合となりました。

第3マッチ:アドリアーナ ディアス vs 佐藤 瞳

Tリーグでは初対戦の組み合わせです。ディアス選手は右シェークドライブ型、佐藤選手は右シェークカット型です。

攻守共に巧みな佐藤選手に、ディアス選手はトリッキーな技を加えつつ攻めていくと予想されます。

第1ゲーム ディアス選手の安定感のあるカット打ち

ディアス選手は出だしからスピードのあるドライブを佐藤選手のフォアとバックに打ち込み、安定感のある攻撃で4点のリードを取ります。中盤まで、ディアス選手はこの4点リードを維持しつつ攻め込んでいきます。しかし終盤にかけて、佐藤選手がカットよりも攻撃の回数を増やし、ディアス選手のボールをカウンターで狙う展開が多くなりました。同点に追いつかれますが、ディアス選手は焦ることなくコースをついたカット打ちで得点し、第1ゲームを11-9で逃げ切ります。

第2ゲーム 佐藤選手のカットに苦戦

両選手のプレーが、攻守両面で一段と輝きます。佐藤選手のカットとカウンター、ディアス選手のドライブやスマッシュとブロックのラリー戦が白熱し、接戦になります。中盤あたりから、佐藤選手の浅いカットや高低差のあるカットが目立つようになり、ディアス選手は変化幅の大きいカットに苦戦する姿が見られました。第1ゲームのような流れで試合を進められず、ディアス選手は第2ゲームを5-11で落とします。

第3ゲーム 戦術を変えた両選手

ディアス選手は厳しいコース取りで得点し、佐藤選手は変化のあるカットとカウンターで得点を重ねます。前のゲームから変わった展開として、ディアス選手はスピードボールだけでなく浅いループドライブを使い、佐藤選手は三球目攻撃の割合を増やしました。両選手は戦術にバリエーションを混ぜながらプレーし、10-10まで競る激戦となります。

一本勝負は佐藤選手のサービスで、佐藤選手はディアス選手のバック側に横上回転のロングサービスを出しました。ディアス選手は反応するも2球目がオーバーしてしまい、第3ゲームを10-11で落とします。

第4ゲーム 佐藤選手の攻撃が鋭くなる

ディアス選手はドライブだけでなく、ツッツキを使い分けながらカット打ちをしていきますが、なかなか打開策が見つからない様子です。佐藤選手のミスの少ないカットと粒で浮かせた後のカウンターの安定感にディアス選手の表情が曇ります。終盤で、ディアス選手は佐藤選手に4点リードを許してしまいます。すると、佐藤選手は気持ちに余裕ができたのか、さらに攻撃的になります。ディアス選手は佐藤選手の攻撃に押され、第4ゲームを5-11で落とします。結果、ゲームカウント1-3で敗戦となりました。

世界でトップのカットマンとして活躍し、ここ数ヶ月で勢いのある佐藤選手に惜しくも敗れる結果になりました。ディアス選手は1ゲーム奪い、要所ではスーパープレーを披露して大いに会場を盛り上げました。

第4マッチ:成本 綾海 vs 大藤 沙月

昨シーズンから何度か対戦している組み合わせになりました。成本選手は左シェーク異質攻撃型、大藤選手は右シェークドライブ型です。

両選手の特長はサービスからの速い三球目攻撃です。この三球目攻撃を封じられるかどうかで試合の流れが変わります。

第1ゲーム 大藤選手の速攻に押される

大藤選手は速い展開を得意とし、またサービスも巧い選手です。序盤から大藤選手の速い展開の攻撃が冴え、成本選手はリードを許してしまいます。成本選手としては、大藤選手のサービスに対して厳しいコースをついてレシーブし、大藤選手にきれいな体勢で攻撃させないようにしたいです。

第2ゲーム 変化が効かない大藤選手

大藤選手の流れが続き、成本選手は苦戦します。本来であれば、成本選手のバック側に貼ってある変化形表ソフトの変化が効くはずです。しかし大藤選手が巧くタイミングを合わせて変化のあるボールを繋ぎ、連打する展開に持ち込んできます。成本選手はサービスのモーションを変えたり、サービスの回転を変えたりと工夫するも、大藤選手の勢いに押され、第2ゲームを7-11で落とします。

第3ゲーム 激しいラリー戦

成本選手にとって苦しい展開が続きます。この第3ゲームで大藤選手は成本選手に打たせてからのカウンター、連打する形で攻め続けてきます。成本選手はラリー戦に持ち込み、打点の早い攻防戦を繰り広げます。バックハンドを主軸に攻めていきますが、要所で大藤選手の分かりづらい巻き込みフォームのアップダウンサービスに苦戦し、大きくリードを許してしまいます。最後はサイドをきっていく厳しいコースをつかれ、成本選手は第3ゲームを3-11で落とします。結果、ゲームカウント0-3で敗戦となりました。

速い展開のラリーが続き、見ごたえのある試合でした。成本選手は大藤選手の同じフォームから出される、分かりづらいアップダウンサービスに首をかしげながらも、諦めずに立ち向かっていき、最後まで執念を見せてくれました。

2023年11月17日、京都カグヤライズ vs 日本ペイントマレッツは日本ペイントマレッツに軍配が上がる!

今シーズン初の京都でのホーム戦、1日目に続き2日目も勝利で飾ることは叶いませんでした。しかし、第1マッチのダブルスで今シーズン無敗だった芝田選手と大藤選手のペアを相手に白星を挙げたことが、自信に繋がるいい結果になったと思います。

次は鹿児島県でホーム2連戦となります。九州のお客さまに勝利する姿を見せられるよう、チーム一丸となって勝ちにいきます。

▼次戦記事
京都カグヤライズ vs 木下アビエル神奈川 霧島市国分体育館 ノジマTリーグ 2023-2024

ライタープロフィール

記事を書いた人

清水 大暉

京都カグヤライズインターン生。 
中1から卓球を始める。高3で区切りをつけようとしたが、コロナウイルスの影響で学生生活最後の大会が中止に。そこで悔いが残り、卓球の道に進もうと決意。今では趣味で卓球を続け、国際試合や海外リーグの試合をよく観ている。
好きな選手は丹羽選手・酒井選手・モーレゴード選手・ティモボル選手などなど。