京都カグヤライズ最終戦は、今まで接戦を繰り広げてきたトップおとめピンポンズ名古屋です。現在のところ1勝2敗になっています。
前回の対戦ではビクトリーマッチにもつれ込む激戦となり、惜しくも敗れるという結果になっています。カグヤライズ今シーズン最後の一戦ということで、メンバー全員気が引き締まります。
2023年2月25日 ベンチ入りメンバー
- 松島 美空 選手
- 成本 綾海 選手
- ウェイ ウェンション 選手
- マー ユーハン 選手
- ユエン シュエジアオ 選手
ダブルスは、直近の試合で2連勝しているウェイ・マーペア。今試合でもダブルスで勝利して、チームに勢いをつけたいところです。
また、オーダーも重要です。カット攻略がうまい成本選手を小塩選手と、対ドライブ選手に強いユエン選手を当てられれば、勝機が見えてきます。
第1マッチ:ウェイ ウェンション・マー ユーハン vs 鈴木 李茄・南波 侑里香
ウェイ選手は右シェークドライブ型、マー選手は左シェークドライブ型です。鈴木選手は左シェークドライブ型、南波選手は右シェーク異質攻撃型です。
これまでに2度対戦し、いずれの試合もマー選手のクセ球と思いきりのいい攻撃、ウェイ選手の安定感のある両ハンドで相手ペアのプレーを上回っていました。今試合も、二人の特徴を活かしたプレーで攻められるでしょうか。
第1ゲーム トップ名古屋ペアの安定感
過去の2試合では、マー選手のクセ球を主軸に相手のミスを誘いながら試合を進めていましたが、今回はそう簡単に通用しない様子です。トップ名古屋ペアがミスの少ない攻撃を繰り出し、カグヤライズは苦戦します。ドライブをしても鈴木選手の打点の早いカウンターで返され、なかなかラリー戦に持っていけません。そのまま流れを作れず、第1ゲームを4-11で落とします。
第2ゲーム 接戦の末に
第2ゲームになってから、両ペア共にストップレシーブを中心に攻めていきます。お互いに空いたコースを狙った攻撃が見られ、3~4球目攻撃で決める場面が多くなります。
終盤まで競り、スコアは9-9に。ここからはマー選手のコース取りとウェイ選手の厳しいツッツキが光り、2点連続得点!第2ゲームを11-9で取り返します。
ファイナルゲーム デュースにもつれ込む
Tリーグでは6-6から始まるファイナルゲーム。両選手、ラリー戦で得点する場面やコースを的確に狙った攻撃でお互い一歩も引かない展開になり、ついには10-10になります。
そこから、お互いに少しミスがありながらも得点し、11-12でトップ名古屋がマッチポイント。最後は南波選手のネットインもあってラリーの流れが変わり、カグヤライズペアが失点します。第3ゲームを11-13で落とし、ゲームカウント1-2で敗戦となりました。
3度目の対戦は、相手の出方をある程度お互いに理解していたからか、ゲーム間の戦術がより重要になった印象です。カグヤライズペアも、よく話し合って試合を進めていた印象を受けました。最後のネットインがあっても諦めず拾っていくという点への執念が見て取れました。
第2マッチ:松島 美空 vs 安藤 みなみ
松島選手は左シェークドライブ型、安藤選手は右シェーク異質攻撃型です。
カグヤライズ最終戦でも出場となった松島選手。今までの試合では、格上の選手に対して積極的に食らいついていくプレーが見られました。今試合でも果敢に挑みきる姿が見られるはずです。
第1ゲーム 安定感のあるバックハンドで攻める
安藤選手の速いラリーに、松島選手が前陣で返球していきます。松島選手は安定感のあるバックハンドでコースを突いた攻撃を繰り出し得点します。しかし、安藤選手のストライクゾーンに打つと、ミート打ちで得点されてしまいます。
ゲームが進み、安藤選手にゲームポイントを先に握られます。それでも、松島選手は落ち着いたプレーで得点し、ついには逆転!第1ゲームを11-10で獲得します。
第2ゲーム トップの選手にも負けない速いバックハンド
松島選手は、打点の早いスピードのあるバックハンドと、少し山なりの弧を描き伸びないフォアハンドで得点していきます。第1ゲーム同様、積極的に攻めるバックハンドの安定感がよく、得点率が非常に高いです。
スコアは9-9になり、ここで安藤選手のサービスです。松島選手は、相手のサービス2本ともにバックハンドで先手を仕掛け、いずれも得点。11-9でゲームを決め、第1ゲームに引き続き第2ゲームも取ります。
第3ゲーム 安藤選手の得意な展開に
このゲームを取れば松島選手のTリーグ初勝利!というところでしたが、さすがの安藤選手、ここで立ちはだかります。
第3ゲームでは、安藤選手の持ち味である速いピッチでのラリー戦が増え、松島選手は振り回されてしまいます。ペースを崩され焦ってしまったのか、松島選手自身もミスを出し、点差が開いていきます。立て直せないまま、安藤選手がゲームポイントを握り、そのまま5-11で第3ゲームを落とします。
第4ゲーム ラリーに食らいついていく!
この第4ゲームも安藤選手の流れのままで進んでいきます。松島選手も、打点の早いラリーに食らいついていき、見応えのあるラリーが続きます。しかし得点につながる1本でミスが出てしまい、かなりの苦戦を強いられます。点差が開いたまま、安藤選手のゲームポイント。松島選手側の空いたコースを突くミート気味のカウンターで攻められ、松島選手は防ぎきれません。第4ゲームを4-11で落とします。
ファイナルゲーム 安藤選手の厳しいコース取りに苦戦
Tリーグでは6-6から始まるファイナルゲームならではの空気に、流れがグッと変わるかもしれません。観客席からも期待と緊張が伝わってきます。
まず、安藤選手が松島選手のフォアサイドを切っていくボールを2本出します。松島選手はどうしても体格で及ばず、ボールに届きません。また、安藤選手は緩急をつけたボールも使い、松島選手を翻弄します。結果、安藤選手に5連続得点を許す展開となり、6-11でファイナルゲームを落とします。ゲームカウント2-3で松島選手の敗戦となりました。
松島選手はTリーグ初勝利を逃したものの、激戦の中で安藤選手から2ゲームを奪う大健闘でした。ラリー戦ではただコースを突くだけではなく、フォアを狙ってからミドルへ打つ、という徹底した戦術で試合を運ぶなど、今シーズンを通して目を見張るような成長を見せてくれました。
第3マッチ:成本 綾海 vs 小塩 遥菜
成本選手は左シェーク異質攻撃型、小塩選手は右シェークカット型です。
2度目の対戦となりました。前回の対戦では成本選手が3-1で勝利しています。成本選手の連勝が観たいところですが、叶うでしょうか。
第1ゲーム 成本選手の得意な展開で突き放す
成本選手は、小塩選手の特徴でもあるバックの横下回転のカットに、うまく回転を見極めながらツッツキとドライブで対応します。ていねいなツッツキとストップの前後の揺さぶりで小塩選手のミスを誘いながら自身の得点を重ね、どんどん点差を開いていきます。最後まで成本選手が流れをつかんだままゲームが終了。11-5で第1ゲームを獲得します。
第2ゲーム 小塩選手の変化のあるカットに苦戦
第1ゲーム同様、成本選手は小塩選手の横下回転のカットをうまく返球していきます。しかし、成本選手のドライブに対する小塩選手のバックカットのボールが想像以上のキレを見せ、成本選手の球がネットにかかる場面が多く見られます。成本選手は自身のペースを崩したのか、打ち急いでミスをするように。挽回できぬまま、成本選手は第2ゲームを7-11で落とします。
第3ゲーム 成本選手、追い上げを見せる
成本選手は引き続きドライブを打ち込んでいきますが、小塩選手のカットの安定感が上がり、それに伴って返球率が高くなります。第1ゲーム同様、成本選手が小塩選手に前後の揺さぶりをかけていくも粘られ、なかなか思うように得点できません。小塩選手に点差を開けられながらも、成本選手はバックの変化形表を活かしつつコースを突き、じわじわ追い上げていきます。しかし追いきれず、第3ゲームを惜しくも9-11で落とします。
第4ゲーム 出だし好調
序盤から、成本選手が小塩選手のカットの回転を見極めて打ち込み、連続して4点を取ります。このまま成本選手のペースで進むかと思われましたが、ここからは小塩選手が追いついてきます。シーソーゲームを演じるうち、スコアは7-7へ。その後、成本選手は小塩選手の切れたカットに苦戦し、相手の4連続得点を許してしまいます。第4ゲームを7-11で落とし、ゲームカウント1-3で成本選手の敗戦となりました。
前回の対戦と比べて小塩選手のミスが少なくなり、がまん比べと言える試合内容でした。負けはしましたが、お手本となるようなカット打ちを見せてくれた成本選手でした。
第4マッチ:ユエン シュエジアオ vs チェン イーチン
こちらも2度目の対戦となりました。両選手、右シェークドライブ型です。前回の対戦では、チェン選手の猛攻により0-3で敗戦という結果でした。
第1ゲーム ユエン選手の速いカウンターが炸裂
序盤、チェン選手が強烈なボールを繰り出します。ユエン選手は慌てず、それを前陣のカウンターでうまくさばいていき、2点リードします。その後もリードを維持しユエン選手優勢のまま試合が進むように見えましたが、中盤あたりからチェン選手が戦略を変えてきます。緩いボールも使うようになり、ユエン選手はペースを崩されてしまいます。どうにか立て直したいところでしたが、そのままチェン選手にリードを許し、ユエン選手は第1ゲームを8-11で落とします。
第2ゲーム 先手必勝!
第1ゲームに続き、ユエン選手は前陣でカウンターを打っていきます。対するチェン選手は中陣から打ち込み、互角の勝負です。スコアが7-7になるまで競ったところで、ユエン選手のサービスレシーブ。ここで先手を取り、攻撃的な展開に持ち込んだユエン選手が4連続得点!第2ゲームを11-7で取り返します。
第3ゲーム ロングサービス中心の展開に
両選手共に、ハーフロングやロングサービスを多く出し、上回転のラリーにもっていく展開になります。こういった展開では、ロングサービスをいかに先読みして攻撃を仕掛けるかが鍵です。
ここではユエン選手の読みが冴え、チェン選手のロングサービスに回り込んで打ち込んでいきます。そのままユエン選手が流れをつかみ、第3ゲームを11-6で獲得しました。
第4ゲーム サービスの回転で戦術を変える両選手
第4ゲームでは、ユエン選手が上回転系のロングサービス、チェン選手が下回転系のロングサービスを使って試合を進めていきます。接戦になるも、中後陣のラリー戦になるとチェン選手の方に少し分がある様子で、流れが第1ゲーム・第2ゲームと同じくチェン選手に傾きます。
ユエン選手は追い切れぬまま第4ゲームを8-11で落とし、ゲームカウントが2-2となりました。勝負を決めるため、ファイナルゲームへ続きます。
ファイナルゲーム 緩急を効かせて
ファイナルゲームはチェン選手のサービスから始まりました。チェン選手は、ミドルにロングサービスと、ユエン選手の嫌なところを突いてきます。
6-6から始まるため、序盤からチェン選手に2本取られてスコアが6-8に。ユエン選手にとっては苦しい場面ですが、もちろん諦めません。巧みに緩急を操り、得点!チェン選手に追いつきます。
お互いに厳しいコースを突き合いながら得点し、スコアは9-9で並びます。そこからユエン選手のサービス2本で得点し、ファイナルゲームを11-9で獲得します。ゲームカウント3-2で勝利しました。
全体を通し激しい打撃の応酬で、どちらが勝ってもおかしくない内容でした。球の緩急、コース取り、勝負どころでのサービスの選択など、お互いにトップレベルの戦術を見せ、会場を沸かせてくれました。
2023年2月25日、京都カグヤライズ vs トップおとめピンポンズ名古屋はトップおとめピンポンズ名古屋に軍配が上がる!
カグヤライズにとっての2022-2023シーズン 最終戦を勝利で飾る!という野望は悔しくも叶いませんでした。どの試合も接戦で、「あと1点を取る」という難しさを改めて痛感します。どんな状況でも最後の最後まで諦めず戦った選手たちの姿は、シーズンを通してとても頼もしく感じました。
チームが立ち上がって1年目ということもあってか、最初の方はなかなか勝利をあげられずに苦しみましたが、チーム全員でコミュニケーションを取り、助け合い、2022年12月についに初勝利をあげました。
そこからは弾みがつき、初の京都でのホーム戦でも強敵に勝利。着実に勝ち点を重ね、盛り上がるままにシーズン終盤を駆け抜けました。
成績としては、2022-2023シーズンは最下位という結果になりましたが、この1年でチームが得た財産は何にも代えがたいものです。
改めまして、ノジマTリーグ 2022-2023シーズンにてあたたかい応援をいただき、誠にありがとうございました。来シーズンも京都カグヤライズの挑戦は続きます。その挑戦を、ぜひそばで見守ってください!