京都カグヤライズ vs トップおとめピンポンズ名古屋 霧島市国分体育館 ノジマTリーグ 2023-2024

鹿児島県でのホーム戦2日目になりました。先日の試合はビクトリーマッチまでもつれ込む大接戦となり、惜しくも2-3で敗れました。悔しい想いもありますが、気持ちを切り替えて今試合に臨みます。

京都カグヤライズ 2023-2024シーズン 11戦目の相手は、2度目の対戦となるトップおとめピンポンズ名古屋です。前回の対戦では、0-4で敗れる結果になっています。昨シーズンでは、ダブルスに関してトップ名古屋ペアとの相性が良く、カグヤライズペアが接戦をものにする試合が多くありました。今シーズンはトップ名古屋のペアリングが変わり、相性がまだわからない状況です。

2023年12月10日 ベンチ入りメンバー

  • 牧野 里菜 選手
  • アドリアーナ ディアス 選手
  • 枝廣 愛 選手
  • 工藤 夢 選手

京都カグヤライズは先日の試合のベンチ入りメンバーと同じになりました。対するトップおとめピンポンズ名古屋はベストメンバーを揃えてきました。シングルスではどのような対戦オーダーになるのか楽しみな一戦です。

▼用語紹介
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第1マッチ:枝廣 愛・工藤 夢 vs 木村 香純・南波 侑里香

枝廣選手と工藤選手は右シェークドライブ型。木村選手は右シェークドライブ型、南波選手は右シェーク異質攻撃型です。

カグヤライズペアは、枝廣選手と工藤選手の中央大学ペアが起用されました。先日の試合では惜しくも敗れているので、リベンジに燃えている様子です。

相手のトップ名古屋ペアは、木村選手の安定感と南波選手の速攻が持ち味のペアです。木村選手の安定感か、南波選手の速攻を封じられれば勝機が見えてきます。

第1ゲーム 両ペアの攻撃的なプレー

両ペアは序盤からさまざまなサービスを使い、攻撃的な展開に持ち込んでいきます。両ペアは右右で組んでいることから、ストレート攻撃を使って崩すパターンが多く見られます。大きく点差がつくことはなく、サービスの展開からお互いに点を取り取られるという流れが続き、9-9の接戦になります。そこから南波選手が2本ロングサービスを出し、1本目はラリー戦になり取られます。しかし、2本目は枝廣選手が素早く反応し、サービスレシーブで決めます。

1本勝負は、枝廣選手のシンプルな下回転サービスから工藤選手のバックのループドライブで決まりました。第1ゲームを11-10で先取します。

第2ゲーム カグヤライズペアのハーフロングサービスを使った戦術

第1ゲームをものにしたカグヤライズペアは、一段階ギアを上げた速いラリー展開で押していきます。カグヤライズペアは台から少し出るか、出ないかのハーフロングサービスを多用し、トップ名古屋ペアに2球目でドライブをかけさせてから3球目のカウンター攻撃や速いラリー展開で得点を重ねていきます。この戦術が功を奏し、カグヤライズペアは第2ゲームを11-7で取りました。結果、ゲームカウント2-0で勝利しました。

第1ゲームの接戦を制したことで流れを掴み、戦術転換をしたカグヤライズペアがストレート勝利を決めました。右右ペアは、左右ペアより大きな動きがないと相方にぶつかってしまうため速い展開が難しくなります。しかし、枝廣選手と工藤選手はペア歴が長くお互いのやることが理解できているようで、攻撃後の動きがスムーズでした。右右ペアでありながらも、速いラリー展開でトップ名古屋ペアを圧倒していました。

第2マッチ:アドリアーナ ディアス vs 安藤 みなみ

ディアス選手は右シェークドライブ型、安藤選手は右シェーク異質攻撃型です。

ミート打ちを特長に持つ選手同士の対戦となりました。先日の試合のビクトリーマッチで対戦した木下アビエル神奈川のホー選手と似たプレースタイルの安藤選手です。ディアス選手は安藤選手のバックの変化形表にどう対応していくかが見どころになります。

第1ゲーム 安藤選手の変化形表に揺さぶられる

序盤からディアス選手のバックでのミート打ち、安藤選手のフォアでのミート打ちが炸裂します。試合が進むと、安藤選手のバックの変化形表が徐々に顔を出し、ディアス選手は翻弄されてしまいます。ディアス選手は安藤選手の変化形表で前後に揺さぶられ、持ち味のパワードライブが活かせません。安藤選手のプレーに押され、ディアス選手は第1ゲームを6-11で落とします。

第2ゲーム 安藤選手の緩急に苦戦

ディアス選手は安藤選手の変化形表に苦しみ、なかなか流れを掴むことができません。第1ゲームと同様に、ディアス選手は安藤選手の緩急をつけたバックハンドに翻弄され、表情を曇らせます。試合中盤でディアス選手が威力のあるバックハンドを決める場面もあり、1点ずつ点数を重ねますが、得点パターンを確立できず、第2ゲームを6-11で落とします。

第3ゲーム ディアス選手がコース取りを変える

ディアス選手は悪い流れを打開しようと、安藤選手の変化形表を避けるべくフォア側を狙います。序盤にはこの戦術が効き2点リードを取りますが、中盤になると安藤選手が戦術に気づき、対応されてしまいます。フォア側を狙われたディアス選手はバック対バックのラリーに切り替え、タイミングを合わせたバックドライブで追いつきます。しかし、安藤選手の厳しいコース取りのレシーブによりミスが続き、第3ゲームを9-11で落としました。結果、ゲームカウント0-3で敗戦となりました。

安藤選手の変化の大きいプレーと速いミート打ちに苦戦し、悔しい敗戦になりました。ディアス選手はなかなか自身の得意とするプレーに持ち込めず、苦しい表情をしていましたが、試合終盤には強烈なバックハンドを見せ、プレッシャーをかけていました。

第3マッチ:牧野 里菜 vs ユエン シュエジアオ

牧野選手とユエン選手は右シェークドライブ型です。

牧野選手は先日の木下アビエル神奈川との試合で、ホー選手と大接戦を繰り広げました。今試合の対戦相手は中国籍のユエン選手です。ユエン選手は昨シーズンに京都カグヤライズでプレーし、9勝8敗とエース級の活躍を見せてくれました。牧野選手はパワフルな両ハンドが持ち味のユエン選手にどう立ち向かうのか注目です。

第1ゲーム ユエン選手の緩いボールに苦戦

序盤からユエン選手がさまざまなサービスを使い、様子を伺います。牧野選手としては速い展開を活かした両ハンドで押していきたいところです。牧野選手は両ハンドドライブを振ろうとしますが、ユエン選手に緩いボールを使われ、速い展開を阻まれます。打点の高いところで両ハンドを振り、速い展開で攻撃を仕掛ける特長を封じられた牧野選手は勢いを止められ、第1ゲームを3-11で落とします。

第2ゲーム 牧野選手の苦しい展開が続く

第2ゲームでも牧野選手は得点を重ねられず苦しみます。ユエン選手が緩いボールだけでなく速いボールも使い始め、緩急をつけたラリー戦を仕掛けてきます。牧野選手はユエン選手の緩急に加え、サービスレシーブでも苦戦し、なかなか流れを掴めません。牧野選手は自身のプレーを得点に繋げられず、第2ゲームを4-11で落とします。

第3ゲーム コース取りと回転量で押される

後がない牧野選手ですが、この第3ゲームで徐々に牧野選手らしいプレーが出始めます。牧野選手のサービスレシーブが少し改善されたことにより、ラリー戦になる回数が増えます。このラリー戦で牧野選手は速い両ハンドを使い、ユエン選手を台から下げさせていく展開が見られます。しかし、ユエン選手は前陣後陣に関わらず強力なプレーを展開し、それに押された牧野選手は得点が難しい状況になってしまいます。第3ゲームは6-11で落とし、ゲームカウント0-3で敗戦となりました。

牧野選手にとって格上のユエン選手への挑戦は、悔しい結果となりました。ラリー戦では、両者互角の速さで打ち合うも、球の速さだけでは点数を重ねられないという1点を取る難しさが牧野選手のプレー全体に現れていた試合内容でした。

第4マッチ:枝廣 愛 vs 木村 香純

枝廣選手と木村選手は右シェークドライブ型です。

両ハンドを駆使してプレーする選手同士の対戦になりました。

第1ゲーム 見ごたえのあるラリー戦を展開する両選手

両選手のプレーが似ていることもあり、お互いに序盤から巻き込みサービスのラリー展開になっていきます。両選手は球威やスピードという要素ではなく、打球時のコースで得点を重ねています。枝廣選手は高い山なりのドライブを使って木村選手のミスを誘いますが、木村選手が安定したレシーブをし、なかなかミスになりません。ラリー戦でも粘り強さで上回ることができず、第1ゲームを8-11で落とします。

第2ゲーム 木村選手のレシーブ力の高さ

枝廣選手はサービスを順回転のサービスに変えてプレーしていきます。バックハンドで球を伸ばす技術やロングサービスの割合を多くしてラリー戦に持ち込むなど、さまざまな工夫が見られます。点差は大きく開かず接戦になりますが、木村選手のレシーブ力の高さが徐々に出始め、枝廣選手が先にミスをしてしまう展開が増えてしまいます。枝廣選手は終盤にミスが増えてしまい、第2ゲームを7-11で落とします。

第3ゲーム 枝廣選手のロングサービスが効く

第1、第2ゲームと似た内容の、打球時のコースで得点する試合が進みます。第1・第2ゲームに引き続き打球時のコースで得点する形で試合が進みます。ラリー戦が増える中、大きく点差が開かず拮抗した状態が続きます。試合中盤に同点になったところで、枝廣選手がロングサービスを2本使い、木村選手の予想を外したプレーで2点差をつけます。さらに、そこから連打する展開でのサイドをきる厳しいコース取りで木村選手をノータッチにさせます。戦術転換をした枝廣選手が5連続得点で、第3ゲームを11-6で取り返します。

第4ゲーム 戦術転換をする両選手

ここでも接戦が続きます。両選手はサービスの種類、サービスを出す立ち位置、打球時のコースを変えていくなど、試合の中でさまざまな戦術転換を見せます。ここまでのゲームから変わった点として、木村選手のドライブが挙げられます。打球時のスピードが上昇し、相手側の台に突き刺さるようなボールになったため、枝廣選手は苦戦を強いられます。終盤には単調なレシーブになってしまったフォア前を集中的に狙われ、木村選手に連続得点を許してしまいました。第4ゲームは7-11で落とし、ゲームカウント1-3で敗戦となりました。

どのゲームも接戦となり、細かな戦術転換が見られた試合でした。戦況は一進一退を繰り返し、どちらが勝利するのか最後まで分からない、見ごたえのあるものでした。

2023年12月10日、京都カグヤライズ vs トップおとめピンポンズ名古屋はトップおとめピンポンズ名古屋に軍配が上がる!

鹿児島県でのホーム戦が終わりました。この2日目ではダブルスが見事完勝するも、シングルスの3本を落とし、チームとしては悔しい敗戦になりました。

一般的に、Tリーグではダブルスが取れるとチームにいい流れができると言われていますが、やはりそれだけではチームの勝利を手にすることができません。シングルスではダブルスとはまた一味違う、選手同士の相性や技術レベルの差、試合の流れなどのさまざまな要因が重なって勝敗を左右します。今回の試合では、チームとして各マッチを確実に取っていく難しさを改めて痛感しました。次は大阪府でホーム戦が2連戦あります。そこでは必ずホーム戦勝利を飾れるよう、チーム全体でしっかり準備して試合の日に臨みたいと思います。

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ライタープロフィール

記事を書いた人

清水 大暉

京都カグヤライズインターン生。 
中1から卓球を始める。高3で区切りをつけようとしたが、コロナウイルスの影響で学生生活最後の大会が中止に。そこで悔いが残り、卓球の道に進もうと決意。今では趣味で卓球を続け、国際試合や海外リーグの試合をよく観ている。
好きな選手は丹羽選手・酒井選手・モーレゴード選手・ティモボル選手などなど。